症例2.肺癌加療中に気管内にポリープ状に浸潤した甲状腺乳頭癌の1例(第32回 日本呼吸器内視鏡学会中部支部会)
症例は77歳女性で, 2005年9月に右肺癌(腺癌, 癌性胸膜炎, IIIB)で当院を紹介された. 同時に甲状腺右葉にも石灰化の強い腫瘤がみられ, 甲状腺癌の疑いとされていた. 肺癌に関してはタキソテールによる化学療法を6コース施行, その後2006年3月よリイレッサによる治療を継続していた. 7月頃より血痰が出現するようになり, 軽度の呼吸苦や喉の違和感を感じるようになった. CTを撮影したところ, 甲状腺峡部のレベルで気管内に発育するよく濃染される腫瘤が認められた. 内視鏡検査では, 軟骨部より軟骨の破壊や変形を伴わず, 内腔突出する柔らかい腫瘤が認められ, 硬性鏡下に高周波とcoring...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2007/01/25, Vol.29(1), pp.77 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は77歳女性で, 2005年9月に右肺癌(腺癌, 癌性胸膜炎, IIIB)で当院を紹介された. 同時に甲状腺右葉にも石灰化の強い腫瘤がみられ, 甲状腺癌の疑いとされていた. 肺癌に関してはタキソテールによる化学療法を6コース施行, その後2006年3月よリイレッサによる治療を継続していた. 7月頃より血痰が出現するようになり, 軽度の呼吸苦や喉の違和感を感じるようになった. CTを撮影したところ, 甲状腺峡部のレベルで気管内に発育するよく濃染される腫瘤が認められた. 内視鏡検査では, 軟骨部より軟骨の破壊や変形を伴わず, 内腔突出する柔らかい腫瘤が認められ, 硬性鏡下に高周波とcoringによる切除を行った. 病理学的には甲状腺乳頭癌で, 主に気管軟骨間から気管内にポリープ状に浸潤し, 気道狭窄をきたしたものと考えられた. 甲状腺癌のこのような進展形式は珍しく, 今回報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.29.1_77_5 |