18.結核性気管・気管支狭窄を疑った1例(第119回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

症例は62歳の女性. 持続する咳と喀痰を主訴として当院初診. 当初, 喘息として治療されていた. 経過中に右上葉無気肺が出現したため胸部CT検査が行われ, ほぼ気管全長にわたる狭窄が指摘され, 当科紹介受診となった. 気管支鏡所見では気管粘膜面に明らかな異常を認めず, 壁外リンパ節の腫大による圧排が気道狭窄の主因と考えられた. 右上葉支入口部は視認できず, 入口部と思われる場所に小さな易出血性の腫瘤を認めた. 生検結果は非特異性肉芽腫で, 気管支洗浄液の培養でも結核を示唆する所見は得られなかった. 臨床的に気管・気管支結核を疑い, 抗結核薬を投与したところ, 無気肺の改善をみた. 現在, 咳と...

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Veröffentlicht in:気管支学 2007/01/25, Vol.29(1), pp.70
Hauptverfasser: 竹島, 望, 川崎, 徳仁, 田口, 雅彦, 中村, 治彦, 清川, 浩, 高藤, 繁
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は62歳の女性. 持続する咳と喀痰を主訴として当院初診. 当初, 喘息として治療されていた. 経過中に右上葉無気肺が出現したため胸部CT検査が行われ, ほぼ気管全長にわたる狭窄が指摘され, 当科紹介受診となった. 気管支鏡所見では気管粘膜面に明らかな異常を認めず, 壁外リンパ節の腫大による圧排が気道狭窄の主因と考えられた. 右上葉支入口部は視認できず, 入口部と思われる場所に小さな易出血性の腫瘤を認めた. 生検結果は非特異性肉芽腫で, 気管支洗浄液の培養でも結核を示唆する所見は得られなかった. 臨床的に気管・気管支結核を疑い, 抗結核薬を投与したところ, 無気肺の改善をみた. 現在, 咳と喀痰は軽減し, 日常動作による呼吸困難はないため, 抗結核薬を投与しつつ経過を観察している.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.29.1_70_1