3.肺動脈と連結する特発性気管支動脈瘤の1例(第119回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
症例は, 54歳女性. 健診にて右肺門部に結節影を指摘された. 造影CTにより動脈瘤と考えられ, 大動脈・気管支動脈・肺動脈造影により, 右気管支動脈・下横隔膜動脈・肺動脈と交通する直径3cmの気管支動脈瘤を認めた. 既存の気管支・肺疾患を有さず, 特発性と診断した. 気管支鏡では右中間幹以下に数珠状粘膜血管の拡張, 増生, 膨隆を認めた. 気管支動脈塞栓術を試みるも多数の血管が流入し, かつ肺動脈との吻合が大きいために塞栓不能であった. 平均肺動脈圧21mmHgと右心負荷傾向が見られることもあり, 動脈瘤切除術を施行した. 切除後の気管支鏡では数珠状膨隆血管は消退傾向を示した. 切除標本の組...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2007/01/25, Vol.29(1), pp.67 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は, 54歳女性. 健診にて右肺門部に結節影を指摘された. 造影CTにより動脈瘤と考えられ, 大動脈・気管支動脈・肺動脈造影により, 右気管支動脈・下横隔膜動脈・肺動脈と交通する直径3cmの気管支動脈瘤を認めた. 既存の気管支・肺疾患を有さず, 特発性と診断した. 気管支鏡では右中間幹以下に数珠状粘膜血管の拡張, 増生, 膨隆を認めた. 気管支動脈塞栓術を試みるも多数の血管が流入し, かつ肺動脈との吻合が大きいために塞栓不能であった. 平均肺動脈圧21mmHgと右心負荷傾向が見られることもあり, 動脈瘤切除術を施行した. 切除後の気管支鏡では数珠状膨隆血管は消退傾向を示した. 切除標本の組織学的検索では血管壁は3層構造を示し, 肺動脈と気管支動脈の両者に血管壁が移行しており, 先天性の発症機序が推定された. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.29.1_67_3 |