39.びまん性肺胞出血をきたした特発性肺線維症の1例(第29回 日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会)
症例は61歳, 女性. 1993年頃から乾性咳嗽を自覚しており, 1998年に間質性肺炎と診断された. 2001年1月に胸腔鏡下肺生検を実施し, usual interstitial pneumoniaであることが確認され, 特発性肺線維症(IPF)との診断に至り通院中であった. 徐々に労作時呼吸困難は進行し, 2006年1月からはプレドニンおよびシクロフォサファミドの内服療法が開始されていた. 2006年4月夜, 急激な呼吸困難を生じ, 翌未明に救急車で来院した. 極度の低酸素血症, 胸部CTにて新たなスリガラス状陰影の出現を認めたため, 抗生物質を投与するとともに感染症のスクリーニングを行...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2006/11/25, Vol.28(7), pp.540 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は61歳, 女性. 1993年頃から乾性咳嗽を自覚しており, 1998年に間質性肺炎と診断された. 2001年1月に胸腔鏡下肺生検を実施し, usual interstitial pneumoniaであることが確認され, 特発性肺線維症(IPF)との診断に至り通院中であった. 徐々に労作時呼吸困難は進行し, 2006年1月からはプレドニンおよびシクロフォサファミドの内服療法が開始されていた. 2006年4月夜, 急激な呼吸困難を生じ, 翌未明に救急車で来院した. 極度の低酸素血症, 胸部CTにて新たなスリガラス状陰影の出現を認めたため, 抗生物質を投与するとともに感染症のスクリーニングを行いながら, IPFの急性増悪である可能性を考慮しステロイドパルス療法も開始した. ステロイドパルス療法を開始したところ, 低酸素血症の著明な改善がみられたため気管支肺胞洗浄(BAL)を実施し肺胞出血であることが判明した. その後の検索で, 感染症の存在を示唆する所見は得られず, 一時は改善した酸素化もステロイドパルス療法終了後に再増悪し, 再度ステロイドパルス療法を実施し, 免疫抑制剤の併用, エンドトキシン吸着療法などを実施した. IPFの経過において, 急性の増悪を呈する場合は, IPF自体の急性増悪, 薬剤性肺炎, 感染症などの鑑別が必要になるが, 肺胞出血が原因となることも稀ながらあり, このような場合はBALが鑑別に有用である. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.28.7_540_2 |