25.気管内にポリープ状の進展を認めた炎症性筋線維芽細胞腫と考えられる1例(第29回 日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会)

症例は73歳, 女性. 血痰を主訴に2005年5月当院受診. CTにて左S6に2. 3cm大の辺縁平滑な腫瘤影を認め, 気管支ファイバーでは, ポリープ状の腫瘤が左B6を閉塞していた. 同部位より真菌の菌糸成分を検出し, 組織学的には壊死と肉芽腫様の病変を認めたが確定診断には至らなかった. 当初, 外科的治療に消極的だったため, 気管支中心性肉芽腫, アレルギー性真菌症などの鑑別も考慮し, ITCZ, ステロイド治療を行ったところ, 気管支内に進展していた病変は消失した. しかし, 腫瘤影は縮小を認めず, 最終的に左S6部分切除術を行った. 術中迅速診断では明らかではなかったが, 術後の病理組...

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Veröffentlicht in:気管支学 2006/11/25, Vol.28(7), pp.537
Hauptverfasser: 門司, 恵, 川浦, 太, 中原, 快明, 田尾, 朋子, 田中, 彩, 那須, 堅司, 鍋島, 一樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は73歳, 女性. 血痰を主訴に2005年5月当院受診. CTにて左S6に2. 3cm大の辺縁平滑な腫瘤影を認め, 気管支ファイバーでは, ポリープ状の腫瘤が左B6を閉塞していた. 同部位より真菌の菌糸成分を検出し, 組織学的には壊死と肉芽腫様の病変を認めたが確定診断には至らなかった. 当初, 外科的治療に消極的だったため, 気管支中心性肉芽腫, アレルギー性真菌症などの鑑別も考慮し, ITCZ, ステロイド治療を行ったところ, 気管支内に進展していた病変は消失した. しかし, 腫瘤影は縮小を認めず, 最終的に左S6部分切除術を行った. 術中迅速診断では明らかではなかったが, 術後の病理組織では, 高度のリンパ球, 形質細胞の浸潤を伴って, 大型の類円形から長楕円形の核と明瞭な核小体を有する多稜形または紡錘形腫瘍細胞の増殖を認めた. 壊死, 分裂像を伴い, 高いMIB-1陽性率を示した. 腫瘍は一部で気管支内腔に突出し, 内腔を閉塞または高度に狭窄しており, 腫瘍周囲には閉塞性所見を伴っていた. 免疫組織化学には, vimentin, calponin, cytokeratin AE1/AE3(ドット状)が陽性で, リンパ球系マーカーやEB virus抗原, S-100, EMA, TTF-1は陰性で, 悪性の炎症性筋線維芽細胞腫が最も疑われた. 稀な疾患であり, 文献的考察を加え報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.28.7_537_3