8.気管支血管造影で濃染を示し,血管性病変との鑑別が困難であった肺カルチノイドの1例(第116回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
症例は79歳男性. 自覚症状なし. 10年前に検診異常陰影を指摘され, 気管支鏡を施行したが特異的所見なく, 胸部CTで経過観察されていた. 6年前より右上葉S2に楕円形の辺縁平滑な造影効果に乏しい腫瘍陰影を認め, 徐々に増大したために再度気管支鏡を施行したところ, 右S2bi入口部をほぼ閉塞する隆起性病変が認められた‐粘膜正常で, 観察時, 拍動している様に見えたために生検せず, 気管支血管造影を行ったところ, 腫瘍に流入する気管支動脈の拡張と, 腫瘍に一致した濃染所見を認めた. この時点で鑑別診断を挙げるのは困難だったが, 増大傾向である上, 腫瘍内血管の破綻により致死性の喀血を惹起する可...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2006/05/25, Vol.28(4), pp.325 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は79歳男性. 自覚症状なし. 10年前に検診異常陰影を指摘され, 気管支鏡を施行したが特異的所見なく, 胸部CTで経過観察されていた. 6年前より右上葉S2に楕円形の辺縁平滑な造影効果に乏しい腫瘍陰影を認め, 徐々に増大したために再度気管支鏡を施行したところ, 右S2bi入口部をほぼ閉塞する隆起性病変が認められた‐粘膜正常で, 観察時, 拍動している様に見えたために生検せず, 気管支血管造影を行ったところ, 腫瘍に流入する気管支動脈の拡張と, 腫瘍に一致した濃染所見を認めた. この時点で鑑別診断を挙げるのは困難だったが, 増大傾向である上, 腫瘍内血管の破綻により致死性の喀血を惹起する可能性があったため, 外科的切除を行ったところ, 迅速診断で低悪性腫瘍の診断を得, 右上葉切除及びリンパ節廓清術を行った. 最終病理診断は肺カルチノイドであった. 本疾患の血管造影所見についての報告は少なく, 若干の文献的考察を併せて報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.28.4_325_2 |