15.IV期肺腺がんに対するゲフィチニブ単独投与の効果判定に気管支鏡が有用であった1例(第115回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会(記録))

【背景】IV期肺腺がん患者に対しゲフィニチブを投与し,その腫瘍縮小効果を気管支鏡検査により経過観察しえた症例を経験した.【症例】80歳女性.喫煙歴なし.主訴は咳噺.気管支鏡検査にて右上中間幹分岐に5mm大の腫瘍を認め,また中葉枝は別の腫瘍により完全閉塞し,同部位の肺生検にて腺がん,cT2N2M1,stageIVの診断となる.患者の希望により,ゲフィチニブ開始.投与1カ月後の気管支鏡検査で上中間幹分岐部の腫瘍はほぼ消失し,右中葉枝はB4,B5を確認できるまでに開通した.中葉枝入口部の擦過細胞診では腺がん細胞が依然認められているが,ゲフィチニブ治療開始後4カ月にわたり腫瘍は著明に縮小し,KL-6の...

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Veröffentlicht in:気管支学 2006/03/25, Vol.28(2), pp.134
Hauptverfasser: 藤岡, 薫, 小中, 千守, 毛利, 昌史, 青木, 望, 坂尾, 幸則
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【背景】IV期肺腺がん患者に対しゲフィニチブを投与し,その腫瘍縮小効果を気管支鏡検査により経過観察しえた症例を経験した.【症例】80歳女性.喫煙歴なし.主訴は咳噺.気管支鏡検査にて右上中間幹分岐に5mm大の腫瘍を認め,また中葉枝は別の腫瘍により完全閉塞し,同部位の肺生検にて腺がん,cT2N2M1,stageIVの診断となる.患者の希望により,ゲフィチニブ開始.投与1カ月後の気管支鏡検査で上中間幹分岐部の腫瘍はほぼ消失し,右中葉枝はB4,B5を確認できるまでに開通した.中葉枝入口部の擦過細胞診では腺がん細胞が依然認められているが,ゲフィチニブ治療開始後4カ月にわたり腫瘍は著明に縮小し,KL-6の低下を認めた.現在外来にて経過観察中である.【結論】StageIVの肺腺がんに対しゲフィチニブ単独投与の腫瘍縮小効果を気管支鏡的に観察できた.がん細胞は依然検出されているが,腫瘍の増大,転移等は認められず良好な病勢コントロールが得られている.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.28.2_134_5