開胸手術を回避しえた長期介在気管支異物に対する硬性気管支鏡下摘出術(<ミニ特集>「気管支異物」)

開胸手術が検討された長期介在気管支異物を硬性気管支鏡下に摘出しえた3症例を経験したので報告する.症例1は, 4歳女児.2年前に誤嚥した皿の破片が右B^9に嵌頓し易出血性の肉芽に被覆され強く固定されていた.硬性鏡下にテレスコープと一体型のオプティカル鉗子を用いて摘出できた.症例2は, 65歳男性.7カ月前に日曜大工で釘を誤嚥.自覚症状なく, 健診にて偶然に発見される.左B^9_に釘の先端を認めたが軟性鏡では摘出困難であった.亜々区域支で硬性鏡の観察範囲外であったが, X線透視と硬性鏡用アリゲーター鉗子を用いて摘出できた.症例3は, 62歳男性.1ヵ月前に電気工事でケーブルをステープル(ステップル...

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Veröffentlicht in:気管支学 2005/11/25, Vol.27(7), pp.511-517
Hauptverfasser: 古川, 欣也, 岩崎, 賢太郎, 石田, 順造, 三浦, 豊章, 平良, 真博, 片場, 寛明, 柳田, 国夫, 齋藤, 誠, 加藤, 治文
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:開胸手術が検討された長期介在気管支異物を硬性気管支鏡下に摘出しえた3症例を経験したので報告する.症例1は, 4歳女児.2年前に誤嚥した皿の破片が右B^9に嵌頓し易出血性の肉芽に被覆され強く固定されていた.硬性鏡下にテレスコープと一体型のオプティカル鉗子を用いて摘出できた.症例2は, 65歳男性.7カ月前に日曜大工で釘を誤嚥.自覚症状なく, 健診にて偶然に発見される.左B^9_に釘の先端を認めたが軟性鏡では摘出困難であった.亜々区域支で硬性鏡の観察範囲外であったが, X線透視と硬性鏡用アリゲーター鉗子を用いて摘出できた.症例3は, 62歳男性.1ヵ月前に電気工事でケーブルをステープル(ステップル)にて留める仕事をしていた.特に誤嚥の自覚はなかったが, 咳出現のため胸部単純X線撮影したところステープルを認めた.ステープルは左下葉気管支壁に刺入しており気管支穿孔や肺動脈損傷の危険性があった.硬性鏡下に把持力の強いステント用把持鉗子を用いて摘出できた.一般的に硬性鏡でも摘出困難と考えられる気管支異物であっても硬性鏡を工夫して使用することにより, 比較的安全で低侵襲に異物摘出が可能で, 開胸手術を避けられる場合もあると考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.27.7_511