気管支鏡にて菌塊を証明しえた肺放線菌症の1例

背景.肺放線菌症は時に肺癌,肺結核,肺真菌症との鑑別が困難なことがあり,診断に苦慮する疾患である.症例.62歳男性.気管支拡張症と糖尿病にて当院外来通院中.喀血が持続したため当院に入院した.胸部CTにて右S^2からS^3に結節影を認めた.腫瘍マーカーやβ-Dグルカン,喀痰検査に異常所見を認めなかった.気管支鏡検査では右B3入口部に白色塊状物を認め,末梢側から出血もみられ出血源と考えられた.この白色塊状物の生検組織に硫黄顆粒を認め,肺放線菌症と診断した.Ampicillin投与にて速やかに症状,画像所見は改善した.結論.喀血を認め,気管支鏡検査にて菌塊を観察した肺放線菌症の1例を報告した.本症は...

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Veröffentlicht in:気管支学 2005/03/25, Vol.27(2), pp.131-135
Hauptverfasser: 有村, 保次, 伊井, 敏彦, 平塚, 雄聡, 飯干, 宏俊, 隈本, 健司
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.肺放線菌症は時に肺癌,肺結核,肺真菌症との鑑別が困難なことがあり,診断に苦慮する疾患である.症例.62歳男性.気管支拡張症と糖尿病にて当院外来通院中.喀血が持続したため当院に入院した.胸部CTにて右S^2からS^3に結節影を認めた.腫瘍マーカーやβ-Dグルカン,喀痰検査に異常所見を認めなかった.気管支鏡検査では右B3入口部に白色塊状物を認め,末梢側から出血もみられ出血源と考えられた.この白色塊状物の生検組織に硫黄顆粒を認め,肺放線菌症と診断した.Ampicillin投与にて速やかに症状,画像所見は改善した.結論.喀血を認め,気管支鏡検査にて菌塊を観察した肺放線菌症の1例を報告した.本症は血痰,喀血をきたすことの多い疾患であり,外科的手段を回避するためにも積極的な気管支鏡による細菌学的および病理組織学的検査を行う必要がある.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.27.2_131