17.気管原発の悪性リンパ腫の1例(第111回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

症例は65歳女性. 2年前より吸気時の呼吸困難を訴え, 耳鼻科および近医内科にて気管支喘息と診断され投薬されていた. しかし症状は改善しなかったため, 耳鼻科を再度受診. 喉頭ファイバーにて気管に隆起性の腫瘍が認められたため当科紹介された. 腫瘍は気管の右前壁から内腔をほぼ完全閉塞するように存在し, 気管原発の扁平上皮癌, 悪性リンパ腫などが考えられた. ステロイド投与および放射線照射施行にて腫瘍は縮小したため, 内視鏡的生検を施行. その結果, 悪性リンパ腫の病理診断であった. リンパ腫は他の部位には見られず, 気管に弧発したものであった. 放射線を合計40Gy照射し, 腫瘍は著明に縮小し呼...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:気管支学 2005/01/25, Vol.27(1), pp.90
Hauptverfasser: 臼井, 亮, 山部, 克己, 関, 香織, 秋山, 真人, 高橋, 満弘, 村松, 博之, 伴, 聡, 吉田, カツ江
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は65歳女性. 2年前より吸気時の呼吸困難を訴え, 耳鼻科および近医内科にて気管支喘息と診断され投薬されていた. しかし症状は改善しなかったため, 耳鼻科を再度受診. 喉頭ファイバーにて気管に隆起性の腫瘍が認められたため当科紹介された. 腫瘍は気管の右前壁から内腔をほぼ完全閉塞するように存在し, 気管原発の扁平上皮癌, 悪性リンパ腫などが考えられた. ステロイド投与および放射線照射施行にて腫瘍は縮小したため, 内視鏡的生検を施行. その結果, 悪性リンパ腫の病理診断であった. リンパ腫は他の部位には見られず, 気管に弧発したものであった. 放射線を合計40Gy照射し, 腫瘍は著明に縮小し呼吸困難も消失した. 気管発生の悪性リンパ腫は稀な症例として報告され, その多くが気管支喘息と誤診されている. 呼吸困難や喘鳴が持続する際の鑑別診断として, 気管および気管支の悪性リンパ腫も考慮する必要があると考えた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.27.1_90_1