金剤とブシラミンの併用投与中に発症した薬剤性肺炎の2例

背景.金チオリンゴ酸ナトリウム(シオゾール^)やブシラミン(リマチル^)は使用頻度の高い代表的な抗リウマチ薬である.慢性関節リウマチに対し,2剤を併用投与中に発症した薬剤性肺炎の2症例を経験した.症例.症例1はスリガラス状陰影を呈し,ブシラミンが原因薬剤と考えられ,薬剤の中止のみで改善した.症例2は気管支血管束に沿った高吸収域を呈し,金チオリンゴ酸ナトリウムが原因薬剤と考えられ,薬剤の中止とステロイドの内服で改善した.症例1では血中SP-Aが,症例2では血中KL-6, SP-Dが高値であり,肺炎の改善に伴い基準値以下に低下した.結論.原因薬剤の種類により,スリガラス状陰影と気管支血管束に沿った...

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Veröffentlicht in:気管支学 2003/11/25, Vol.25(7), pp.548-552
Hauptverfasser: 平塚, 雄聡, 伊井, 敏彦, 京樂, 由佳, 隈本, 健司
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.金チオリンゴ酸ナトリウム(シオゾール^)やブシラミン(リマチル^)は使用頻度の高い代表的な抗リウマチ薬である.慢性関節リウマチに対し,2剤を併用投与中に発症した薬剤性肺炎の2症例を経験した.症例.症例1はスリガラス状陰影を呈し,ブシラミンが原因薬剤と考えられ,薬剤の中止のみで改善した.症例2は気管支血管束に沿った高吸収域を呈し,金チオリンゴ酸ナトリウムが原因薬剤と考えられ,薬剤の中止とステロイドの内服で改善した.症例1では血中SP-Aが,症例2では血中KL-6, SP-Dが高値であり,肺炎の改善に伴い基準値以下に低下した.結論.原因薬剤の種類により,スリガラス状陰影と気管支血管束に沿った高吸収域という各々特徴的な陰影がみられた.また血中KL-6, SP-A, SP-Dが薬剤性肺炎の活動性の評価に有用であることが示唆された.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.25.7_548