経気管吸引法による気管支鏡後に発症した急性呼吸器感染症の検討
【目的】気管支鏡検査に合併する呼吸器感染症についての詳細な検討は少ない. 今回我々は下気道から直接検体を採取する経気管吸引法(TTA)を用いて, 気管支鏡後に発症した急性呼吸器感染症について起炎菌を中心に検討したので報告する. 【対象と方法】1988年から現在までに気管支鏡施行後に急性呼吸器感染症を発症し, TTAで細菌を検出した19例を対象とした. TTAは前頚部を消毒, 局所麻酔後, 16Gベニューラ静脈留置針で穿刺し気道内分泌物を吸引, 採取し, グラム染色による検鏡と好気, 嫌気培養とを行った. 【成績】検査後に発症した呼吸器感染症は肺炎8例, 急性気管支炎11例で, 検査から発症まで...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 気管支学 2003/04/30, Vol.25(3), pp.212 |
---|---|
1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 【目的】気管支鏡検査に合併する呼吸器感染症についての詳細な検討は少ない. 今回我々は下気道から直接検体を採取する経気管吸引法(TTA)を用いて, 気管支鏡後に発症した急性呼吸器感染症について起炎菌を中心に検討したので報告する. 【対象と方法】1988年から現在までに気管支鏡施行後に急性呼吸器感染症を発症し, TTAで細菌を検出した19例を対象とした. TTAは前頚部を消毒, 局所麻酔後, 16Gベニューラ静脈留置針で穿刺し気道内分泌物を吸引, 採取し, グラム染色による検鏡と好気, 嫌気培養とを行った. 【成績】検査後に発症した呼吸器感染症は肺炎8例, 急性気管支炎11例で, 検査から発症までの期間は平均2. 8日であっ心検査内容は肺生検と擦過診が多かった. 基礎疾患は肺癌7例, 糖尿病4例などで, 区域支入口部より中枢側の気道狭窄例は6例であった. TTAでの検出菌は, 単独菌検出が8例, 複数菌検出が11例で, 主な検出菌はα-Streptococcus属菌9例(うちS. milleri group4例), インフルエンザ菌7例, 嫌気性菌6例, 肺炎球菌4例などであった. 主にβ-ラクタム系薬やフルオロキノロン系薬の投与にて改善した. 【結論】気管支鏡後の急性感染症の起炎菌としてインフルエンザ菌や肺炎球菌の他に, 嫌気性菌やS. milleri groupが重要と考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.25.3_212_3 |