悪性腫瘍随伴胸水貯留症例における胸腔鏡所見の検討
【目的】悪性腫瘍に伴う胸水貯留症例に対して施行した胸腔鏡所見の特徴を検討した. 【対象】平成6年1月から平成14年8月までに当院に入院した胸水貯留症例のうち, 胸水排液目的でドレーンを留置する必要のある症例で悪性腫瘍に伴う胸水と診断された52症例. 症例の内訳は腺癌34例, 扁平上皮癌4例, 小細胞癌3例, 悪性中皮腫1例, 悪性リンパ腫2例, 転移性8例であり, 転移性のうち原発巣の内訳は卵巣癌2例, 前立腺癌2例, 胃癌1例, 胆嚢癌1例, 大腸癌1例, 皮膚扁平上皮癌1例であった. 【方法】局所麻酔下でトロッカーカテーテルに被せたシースカテーテルを留置してこれをポートとし, 気管支用電子...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2003/04/30, Vol.25(3), pp.206 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】悪性腫瘍に伴う胸水貯留症例に対して施行した胸腔鏡所見の特徴を検討した. 【対象】平成6年1月から平成14年8月までに当院に入院した胸水貯留症例のうち, 胸水排液目的でドレーンを留置する必要のある症例で悪性腫瘍に伴う胸水と診断された52症例. 症例の内訳は腺癌34例, 扁平上皮癌4例, 小細胞癌3例, 悪性中皮腫1例, 悪性リンパ腫2例, 転移性8例であり, 転移性のうち原発巣の内訳は卵巣癌2例, 前立腺癌2例, 胃癌1例, 胆嚢癌1例, 大腸癌1例, 皮膚扁平上皮癌1例であった. 【方法】局所麻酔下でトロッカーカテーテルに被せたシースカテーテルを留置してこれをポートとし, 気管支用電子スコープにて胸腔内の観察と胸膜生検を行った. 【成績】肉眼的特徴として白色隆起性病変が最も多く32例(62%)にみられた. 他には赤色隆起性病変が15例(29%), 白色非隆起性病変が15例(29%), 赤色非隆起性病変が3例(5%)みられた. 52例中50例において辺縁不整, 表面不整等の所見がみられた. 病変分布は壁側胸膜のみが29例(56%), 臓側胸膜のみが7例(13%), 両側にみられたのが16例(31%)であった. 各原因疾患による肉眼的所見には特徴的な傾向は見られなかった. 【考察】原発性肺癌を含めた悪性腫瘍に随伴する胸膜病変における肉眼所見の特徴については未だ確立されておらず今後さらなる検討が必要と考えられる. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.25.3_206_3 |