当院における経気管支吸引細胞診(TBAC)の検討

背景胸部悪性疾患に対する確定診断のための気管支鏡検査において当院ではstagingの精度の向上を目的に, ほぼ全例に#7リンパ節(LN)のTBACを施行している. また可視範囲に腫瘍露出がなく, 通常の検査手技で診断が困難な縦隔LNや肺門LNが有意に腫大している症例や, 末梢腫瘍に対しオプションとしてTBACを追加している. 目的当院において施行しているTBACの結果をretrospectiveに解析し, その有効性と安全性を検討した. 対象と方法平成11年4月から14年12月の間に悪性疾患を疑われ気管支鏡を行い, TBACを施行した563例を解析の対象とした. 結果563例に対し519件のT...

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Veröffentlicht in:気管支学 2003/04/30, Vol.25(3), pp.202
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Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:背景胸部悪性疾患に対する確定診断のための気管支鏡検査において当院ではstagingの精度の向上を目的に, ほぼ全例に#7リンパ節(LN)のTBACを施行している. また可視範囲に腫瘍露出がなく, 通常の検査手技で診断が困難な縦隔LNや肺門LNが有意に腫大している症例や, 末梢腫瘍に対しオプションとしてTBACを追加している. 目的当院において施行しているTBACの結果をretrospectiveに解析し, その有効性と安全性を検討した. 対象と方法平成11年4月から14年12月の間に悪性疾患を疑われ気管支鏡を行い, TBACを施行した563例を解析の対象とした. 結果563例に対し519件のTBACが施行されていた. 施行部位は#3LN33, #7LN418, その他(肺門LN, 末梢腫瘤)68. TBAC陽性件数は142(28%)であった. 部位別では#3LN13(39%), #7LN86(21%)その他43(63%)であった. 確定診断目的でTBACのみ施行したのは38例, #7LN29, #3LN10, その他11の計40件で, 確定診断が得られたのは19件(54%)であった. 組織別には肺癌が14件と最も多かった. TBACによる合併症は気胸が2例(0. 004%)のみであった. 結論TBACは安全に施行できる手技であり, 中枢気道壁外に存在するLN病変や気管支と交通の乏しい肺野腫瘤に対しても有用であった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.25.3_202_2