瘢痕組織内に認められた微小異型腺腫様過形成の1例(第25回日本気管支学会総会)

術前に径6mm大の腫瘤として発見され, 部分切除したが, 病理組織学的に瘢痕組織内に2mm大の異型腺腫様過形成を認めた一例を経験したので報告する. 症例は40歳, 女性. 既往歴に特記すべきことはなし. 職業歴は会社員で喫煙歴ない. 2001年10月11日, 検診の胸部X線写真にて右上肺野に腫瘤影を指摘され, 11月2日当院呼吸器内科を受診した. 胸部CT上右S2に径6mm大の結節影を認め, 肉芽腫を疑ったが, 悪性病変も否定できず, 胸腔鏡下肺生検目的に当科入院となった. 12月7日CTガイド下にてマーカー針を刺入後, 胸腔鏡下に右肺部分切除術を施行した. 術中迅速診断にて鏡膜直下の腫瘤の癩...

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Veröffentlicht in:気管支学 2002/04/15, Vol.24(3), pp.259
Hauptverfasser: 吉光, 聡子, 小田, 誠, 石川, 紀彦, 常塚, 宣男, 竹原, 朗, 富田, 剛治, 斉藤, 健一郎, 渡邊, 剛, 野村, 智, 笠原, 寿郎, 藤村, 政樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:術前に径6mm大の腫瘤として発見され, 部分切除したが, 病理組織学的に瘢痕組織内に2mm大の異型腺腫様過形成を認めた一例を経験したので報告する. 症例は40歳, 女性. 既往歴に特記すべきことはなし. 職業歴は会社員で喫煙歴ない. 2001年10月11日, 検診の胸部X線写真にて右上肺野に腫瘤影を指摘され, 11月2日当院呼吸器内科を受診した. 胸部CT上右S2に径6mm大の結節影を認め, 肉芽腫を疑ったが, 悪性病変も否定できず, 胸腔鏡下肺生検目的に当科入院となった. 12月7日CTガイド下にてマーカー針を刺入後, 胸腔鏡下に右肺部分切除術を施行した. 術中迅速診断にて鏡膜直下の腫瘤の癩痕組織内に異型を伴う上皮を認め, 腺癌と診断された. Surgical marginは十分と考え, 手術を終了した. 永久標本では, 2mm大の乳頭状に増生する異型腺管を認めた. 形態学的に異型腺腫様過形成と腺癌との鑑別が困難な像であったが, p53陰性であり, MIB1陽性細胞, トポイソメラーゼII陽性細胞は共に少なく, 異型腺腫様過形成と診断した.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.24.3_259_2