小児気道異物症例の検討(第25回日本気管支学会総会)

[対象]1974年から2001年12月までに当院で経験した15歳以下の小児気道異物症例31例. 男19例, 女12例で年齢は10ヶ月~13歳3ヶ月(平均2.6歳)であった. [結果]異物の内訳は, 植物性異物が多くピーナッツが18例と最多で, アーモンドナッツ, 枝豆, 大豆, 蕎麦, 梨が各1例であった. その他, 玩具, ボールペンのキャップが各2例, ビニール, 小石, 魚骨, スナック菓子が各1例であった. 嵌在部位は, 気管分岐部直上5例, 右主気管支17例, 中間幹1例, 左主気管支7例, 両側主気管支1例であった. 全例が有症状で, 咳噺, 喘鳴が25例, 呼吸困難が6例であった...

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Veröffentlicht in:気管支学 2002/04/15, Vol.24(3), pp.245
Hauptverfasser: 望月, 篤, 横手, 薫美夫, 新明, 卓夫, 安藤, 幸二, 塚田, 久嗣, 長田, 博昭, 北川, 博昭, 中田, 幸之介, 肥塚, 泉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[対象]1974年から2001年12月までに当院で経験した15歳以下の小児気道異物症例31例. 男19例, 女12例で年齢は10ヶ月~13歳3ヶ月(平均2.6歳)であった. [結果]異物の内訳は, 植物性異物が多くピーナッツが18例と最多で, アーモンドナッツ, 枝豆, 大豆, 蕎麦, 梨が各1例であった. その他, 玩具, ボールペンのキャップが各2例, ビニール, 小石, 魚骨, スナック菓子が各1例であった. 嵌在部位は, 気管分岐部直上5例, 右主気管支17例, 中間幹1例, 左主気管支7例, 両側主気管支1例であった. 全例が有症状で, 咳噺, 喘鳴が25例, 呼吸困難が6例であった. [治療]3例は気管支鏡施行前に自然喀出したが, 28例で全身麻酔下に気管支鏡(硬性鏡)を施行した. 2例で鏡視下に摘出ができず, その内1例は気管切開を施行し摘出した. 在院期間は2~16日(平均6.4日)で, 6例(19.4%)が肺炎を併発し, その内1例が在院死した. [まとめ]気管支鏡は気道異物例で果たす役割は極めて大きいが, 小児ではその施行にあたり全例で全身麻酔を必要とした. 肺炎の併発により症状が重篤化する可能性があり, 早期に発見し摘出することが重要である. しかしX線写真や聴診でも診断が困難な症例があり, また発症前の状況が不明であることが多く, 喘鳴や呼吸苦を訴える症例では気道異物を常に念頭に置き積極的に気管支鏡検査を行う必要がある.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.24.3_245_4