気管原発の腺様嚢胞癌の1例(第25回日本気管支学会総会)
[目的]腺様嚢胞癌は中枢気管支に好発し, 悪性度は低いとされているが局所浸潤をきたしやすい. 手術適応の検討には, より正確な浸潤範囲の検索が望まれる. 今回我々は, 気管原発の腺様嚢胞癌に対し蛍光気管支内視鏡を施行し, 浸潤範囲の検討を行った症例を経験したので報告する. [症例]51歳, 男性. 平成12年より咳嗽と喀痰を認めていた. 平成13年5月頃から労作時の呼吸困難と喘鳴も伴うようになり, 症状が徐々に悪化したため10月に前医を受診した. 胸部X線, CT像にて気管腫瘤を認めた. 気管支鏡検査では, 気管内腔右側に結節状腫瘤を認め, 同部の生検病理組織所見より腺様嚢胞癌と診断された....
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2002/04/15, Vol.24(3), pp.211 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [目的]腺様嚢胞癌は中枢気管支に好発し, 悪性度は低いとされているが局所浸潤をきたしやすい. 手術適応の検討には, より正確な浸潤範囲の検索が望まれる. 今回我々は, 気管原発の腺様嚢胞癌に対し蛍光気管支内視鏡を施行し, 浸潤範囲の検討を行った症例を経験したので報告する. [症例]51歳, 男性. 平成12年より咳嗽と喀痰を認めていた. 平成13年5月頃から労作時の呼吸困難と喘鳴も伴うようになり, 症状が徐々に悪化したため10月に前医を受診した. 胸部X線, CT像にて気管腫瘤を認めた. 気管支鏡検査では, 気管内腔右側に結節状腫瘤を認め, 同部の生検病理組織所見より腺様嚢胞癌と診断された. 同年11月に治療目的にて当科に入院した. 人院後の白色光気管支内視鏡検査では声門下3cmの部位から腫瘤を認め, 長径は5.5cmであった. 病変の境界は腫瘍末梢側では比較的明瞭であったが, 中枢側ではやや不明瞭であった. 蛍光気管支内視鏡検査では, 中枢, 末梢側共に腫瘤に一致する自家蛍光(緑色蛍光)の減弱と腫瘍部の赤色蛍光が観察できた. [結語]気管悪性腫瘍に対し蛍光気管支内視鏡を施行し, 病変部位の自家蛍光の減弱を比較的明瞭に観察し得た. 蛍光気管支内視鏡検査は, 中枢気道病変の切除範囲の決定に有用と思われる. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.24.3_211_3 |