気管狭窄に対し長期間にわたりバルーン拡張術を繰り返し施行した2例(第25回日本気管支学会総会)
【はじめに】当院にて気管狭窄に対し定期的にバルーン拡張術を繰り返し施行したことで狭窄部の拡張を認め, QOLの向上が得られた2例を経験したので報告する. 【症例1】症例は74歳, 男性. 気管扁平上皮癌にて放射線療法後, 気管切開後呼吸苦にて当院受診, 声門下腔に放射線療法, 気管切開による綾痕狭窄を認め平成9年12月, layngeal maskによる全身麻酔下にバルーン拡張術施行. 直径6mm程度の狭窄が8mm程度まで拡大し症状は著名に改善した. 以後半年に1回の間隔で平成13年12月まで計9回バルーン拡張術施行. 現在狭窄部は直径10mm程度に保たれ, 呼吸苦は消失している. 【症例2】...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2002/04/15, Vol.24(3), pp.207 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】当院にて気管狭窄に対し定期的にバルーン拡張術を繰り返し施行したことで狭窄部の拡張を認め, QOLの向上が得られた2例を経験したので報告する. 【症例1】症例は74歳, 男性. 気管扁平上皮癌にて放射線療法後, 気管切開後呼吸苦にて当院受診, 声門下腔に放射線療法, 気管切開による綾痕狭窄を認め平成9年12月, layngeal maskによる全身麻酔下にバルーン拡張術施行. 直径6mm程度の狭窄が8mm程度まで拡大し症状は著名に改善した. 以後半年に1回の間隔で平成13年12月まで計9回バルーン拡張術施行. 現在狭窄部は直径10mm程度に保たれ, 呼吸苦は消失している. 【症例2】症例は70歳, 男性. 4歳時にジフテリアにて気管切開施行されて以来, 気管皮膚痩, 気管狭窄あり肺炎を繰り返していた, 平成10年8月layngeal maskによる全身麻酔下にバルーン拡張術施行. 気管軟骨の変性によるスリット状の狭窄で, 間隔は5mm程度. 術後, 呼吸苦は軽減し, 排痰良好となった. 平成14年1月までに計4回のバルーン拡張術を施行し現在経過観察中である. 【まとめ】本例は定期的にバルーン拡張術を繰り返し施行した結果, 狭窄部の拡大を認め, ステント留置や手術を施行することなくQOLの向上を得ることができた. 長期にわたるバルーン拡張術は良性狭窄病変に対する治療手段の一つと考えられた. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.24.3_207_4 |