間質性肺炎における血管外線溶系の解析 : 気管支肺胞洗浄液中のu-PA/PAI-1の測定(第25回日本気管支学会総会)
背景と目的;肺胞, 気管支のリモデリングが, 各種呼吸器疾患において注目されている. プラスミン生成系は, コラゲナーゼ, ゼラチナーゼの活性化の他, 各種炎症性細胞の遊走に関与することが明らかとなっており, 我々も, 間質性肺炎の病理像において, プラスミン生成系の発現の差違と治療反応性にある種の相関がみられることを報告している. 今回, 間質性肺炎患者の気管支肺胞洗浄液(BALF)中のu-PA, PAI-1を測定することにより, 肺局所でのプラスミン生成系を評価することを試みる. 対象と方法;当施設にて診断, 治療を行った間質性肺炎症例のうち, 治療前にBALを施行した18例のBALF液性...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2002/04/15, Vol.24(3), pp.197 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景と目的;肺胞, 気管支のリモデリングが, 各種呼吸器疾患において注目されている. プラスミン生成系は, コラゲナーゼ, ゼラチナーゼの活性化の他, 各種炎症性細胞の遊走に関与することが明らかとなっており, 我々も, 間質性肺炎の病理像において, プラスミン生成系の発現の差違と治療反応性にある種の相関がみられることを報告している. 今回, 間質性肺炎患者の気管支肺胞洗浄液(BALF)中のu-PA, PAI-1を測定することにより, 肺局所でのプラスミン生成系を評価することを試みる. 対象と方法;当施設にて診断, 治療を行った間質性肺炎症例のうち, 治療前にBALを施行した18例のBALF液性成分中のu-PA, PAI-1をELISAを用いて測定した. 得られたデータと, HRCT所見特に蜂窩肺の有無や臨床経過から得られた治療に対する反応性との比較検討を行った. 結果;検討した症例でのBALF中のu-PAの平均値は0.624±0.628ng/mlであった. 臨床データおよび臨床経過より判断した反応群では0.669±0.546ng/ml, 一方非反応群では0.621±0.740ng/mlで, 両群間に有意差は認められなかった. 一方PAI-1は測定感度以下であった. 結論;間質性肺炎症例のBALF液性成分におけるプラスミン生成系は, 病理像におけるプラスミン生成系と異なり, 線維化の予測因子とはなり得ないと判断される. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.24.3_197_4 |