診査開胸を行った肺結核症例の検討(第25回日本気管支学会総会)
「目的」確定診断に至らなかった肺腫瘤に対して診査開胸を行い, 肺結核であった症例について検討した. 「対象」1990年1月~2001年11月までに, 当科で施行した肺腫瘤に対する, 診査開胸は260例であり, そのうち肺結核であった15例を対象とした. 「結果」年齢は48歳から73歳, 平均62.3歳であった. 性別は男性9例, 女性6例であり, 主訴は検診10例, 他疾患観察中4例, 発熱1例であった. 胸部X線上腫瘤径は10~33mmで, 平均21mmであった. 肺尖部に7例, S6に3例, それ以外の部位が5例であった. 手術となった理由は画像上悪性を疑わせるもの, 喀痰細胞診や気管支鏡...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2002/04/15, Vol.24(3), pp.194 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」確定診断に至らなかった肺腫瘤に対して診査開胸を行い, 肺結核であった症例について検討した. 「対象」1990年1月~2001年11月までに, 当科で施行した肺腫瘤に対する, 診査開胸は260例であり, そのうち肺結核であった15例を対象とした. 「結果」年齢は48歳から73歳, 平均62.3歳であった. 性別は男性9例, 女性6例であり, 主訴は検診10例, 他疾患観察中4例, 発熱1例であった. 胸部X線上腫瘤径は10~33mmで, 平均21mmであった. 肺尖部に7例, S6に3例, それ以外の部位が5例であった. 手術となった理由は画像上悪性を疑わせるもの, 喀痰細胞診や気管支鏡の検査でclassIII以上, 肺瘍マーカーの上昇, 腫瘤の増大傾向といった所見がみられた例に行った. 術中の穿刺細胞診や組織診に加えて, 腫瘍スタンプや蛍光顕微鏡で診断した. 術式は肺部分切除が12例, 1995年以降はVATSの症例が増加している. 術後抗結核剤としてINH, RFP, EBの3剤を投与した. 「結語」肺結核症例でも画像上診断上悪性を疑わせる所見が認められた. また, 肺結核として発症部位, ツベルクリン反応, 炎症所見などよりみて肺結核として典型的でない症例もみられた. 悪性を含め診断が得られない陰影に対して, 胸腔鏡下の手術は診断とともに早期に治療方針を決める有用な手段と考える. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.24.3_194_1 |