原発性気管腫瘍切除例の検討
【目的】 中枢気道に発生する腫瘍は胸部X線写真で発見されることは少なく気道狭窄の症状で発見される場合が多い. 今回, 当科において経験した気管原発腫瘍に対し外科切除施行した4例についてその臨床像を中心に検討した. 【対象】1991~2000年に気管形成術を施行した原発性気管腫瘍4例. 【結果】症例1:64歳女性, 腺様嚢胞癌に対し2.8 cmの気管管状切除施行し, 切除断端に癌陽性のため術後60Gy放射線照射した. 症例2:30歳女性, granular cell tumorに対し1.5 cm気管管状切除施行. 症例3:27歳女性, acinic cell carcinomaに対し3 cm気管...
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Zusammenfassung: | 【目的】 中枢気道に発生する腫瘍は胸部X線写真で発見されることは少なく気道狭窄の症状で発見される場合が多い. 今回, 当科において経験した気管原発腫瘍に対し外科切除施行した4例についてその臨床像を中心に検討した. 【対象】1991~2000年に気管形成術を施行した原発性気管腫瘍4例. 【結果】症例1:64歳女性, 腺様嚢胞癌に対し2.8 cmの気管管状切除施行し, 切除断端に癌陽性のため術後60Gy放射線照射した. 症例2:30歳女性, granular cell tumorに対し1.5 cm気管管状切除施行. 症例3:27歳女性, acinic cell carcinomaに対し3 cm気管管状切除施行. 症例4:43歳男性, 中分化扁平上皮癌に対し, 化学療法2クール施行後, 喉頭全摘, 気管切除, 永久気管瘻増設. 気管支断端には癌陰性であったが, 両反回神経に浸潤していた. 症例2と3は術後5年以上無再発, 症例2は術後2年2ヵ月無再発生存中. 症例4は術後2ヵ月後に局所再発, 3ヵ月後に両側肺転移をきたし, その後放射線療法・化学療法を施行するも術後13ヵ月後に癌死. 4例とも術後合併症はなく, 気管壁外浸潤を呈した症例4以外は予後良好であった. |
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ISSN: | 0287-2137 |