気管支閉塞を呈したアスペルギルス症の1例
症例は80歳, 女性. 1999年8月に発熱. 左胸痛のため近医入院. 肺炎の加療を受け, 症状および胸部X線の異常陰影は一時改善したものの, 9月に再燃を来したため当院へ紹介入院となった. 胸部CTでは左肺S^3 の含気が消失し, 気管支鏡検査では左上区支入口部は黄緑色の腫瘤様物質により閉塞していた. 吸引除去したこの腫瘤様物質は珊瑚状の白色硬質物が核となり黄緑色の分泌物で覆われていた. 白色硬質物の成分分析では98%が炭酸カルシウムで, 気管支生検および白色硬質物の病理組織で石灰成分を伴う糸状菌塊を認めたことからアスペルギルス症を疑った. 培養は陰性で, アスペルギルス抗原も陰性であった....
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Zusammenfassung: | 症例は80歳, 女性. 1999年8月に発熱. 左胸痛のため近医入院. 肺炎の加療を受け, 症状および胸部X線の異常陰影は一時改善したものの, 9月に再燃を来したため当院へ紹介入院となった. 胸部CTでは左肺S^3 の含気が消失し, 気管支鏡検査では左上区支入口部は黄緑色の腫瘤様物質により閉塞していた. 吸引除去したこの腫瘤様物質は珊瑚状の白色硬質物が核となり黄緑色の分泌物で覆われていた. 白色硬質物の成分分析では98%が炭酸カルシウムで, 気管支生検および白色硬質物の病理組織で石灰成分を伴う糸状菌塊を認めたことからアスペルギルス症を疑った. 培養は陰性で, アスペルギルス抗原も陰性であった. イトラコナゾールの投与を行い, 陰影は徐々に改善した. 経過中アスペルギルス抗体が陽性化したことからアスペルギルス症と診断した. |
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ISSN: | 0287-2137 |