喀血を繰り返す気管支拡張症に対する外科治療の経験
喀血, 血痰を繰り返す気管支拡張症に対し外科的治療を行った症例を経験したので報告する. 症例は52歳, 女性. 既往歴として, 昭和58年4月に慢性気管支炎, 気管支拡張症の診断を受けており, 以後血痰, 喀血を繰り返し2回の入院歴を有していた. また, 病歴上血痰の出現は月経に一致することが多かったとのことであった. 今回, 平成12年4月14日, 片手一杯ほどの喀血あり, 緊急入院となった. 気管支鏡で中葉気管支より新鮮血の流出を認めたため, 気管支鏡下に局所用トロンビンを使用した. 気管支動脈造影で, 中葉に分布する気管支動脈の不均一な蛇行と拡張がみられ, 造影剤の漏れがみられたため,...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2001, Vol.23 (3), p.98-98 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 喀血, 血痰を繰り返す気管支拡張症に対し外科的治療を行った症例を経験したので報告する. 症例は52歳, 女性. 既往歴として, 昭和58年4月に慢性気管支炎, 気管支拡張症の診断を受けており, 以後血痰, 喀血を繰り返し2回の入院歴を有していた. また, 病歴上血痰の出現は月経に一致することが多かったとのことであった. 今回, 平成12年4月14日, 片手一杯ほどの喀血あり, 緊急入院となった. 気管支鏡で中葉気管支より新鮮血の流出を認めたため, 気管支鏡下に局所用トロンビンを使用した. 気管支動脈造影で, 中葉に分布する気管支動脈の不均一な蛇行と拡張がみられ, 造影剤の漏れがみられたため, 気管支動脈塞栓術を施行した. 胸部レントゲンでは, 両側下肺野縦隔側に辺縁不鮮明な浸潤影をみとめ, 胸部CTでは, 中葉と舌区に気管支拡張像を認めた. 長年にわたって喀血, 血痰を繰り返している気管支拡張症であり, 病変が中葉及び舌区に限局していること, 今回の喀血の責任病変が中葉であることより, 手術適応と判断し外科治療を行った. 手術所見は腋窩切開, 第4肋間で開胸すると胸腔内は広範囲に癒着を認めた. 中葉は含気性に乏しく硬く充実性に触知した. 葉間の不全分葉はGIAで切離し中葉切除を施行した. 術後一過性の不整脈の出現を見たが, 以後経過は順調であり術後16日目退院となった. |
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ISSN: | 0287-2137 |