成人T細胞白血病ウイルス感染者の気管支肺胞洗浄液細胞における炎症性サイトカイン, ケモカインの発現
〔目的〕成人T細胞白血病ウイルス(HTLV-1)は成人T細胞白血病の原因ウイルスであるだけでなく脊髄症や関節炎などの慢性炎症性疾患も引き起こすことが知られており, 近年肺病変との関わりも示されている. その発症機序としてはHTLV-1にコードされるp40^tax が重要な役割を果たすと考えられているため, HTLV-1感染者の肺病変におけるp40^tax の関わりを検討した. 〔方法〕HTLV-1関連肺疾患が疑われる8症例について気管支肺胞洗浄液中の細胞でのp40^tax 遺伝子の発現とリンパ球分画との相関を検討した. さらに炎症細胞浸潤に関わると考えられる炎症性サイトカイン, ケモカインの発...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2001, Vol.23 (3), p.95-95 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 〔目的〕成人T細胞白血病ウイルス(HTLV-1)は成人T細胞白血病の原因ウイルスであるだけでなく脊髄症や関節炎などの慢性炎症性疾患も引き起こすことが知られており, 近年肺病変との関わりも示されている. その発症機序としてはHTLV-1にコードされるp40^tax が重要な役割を果たすと考えられているため, HTLV-1感染者の肺病変におけるp40^tax の関わりを検討した. 〔方法〕HTLV-1関連肺疾患が疑われる8症例について気管支肺胞洗浄液中の細胞でのp40^tax 遺伝子の発現とリンパ球分画との相関を検討した. さらに炎症細胞浸潤に関わると考えられる炎症性サイトカイン, ケモカインの発現との関連について検討した. 〔成績〕8例中7例の気管支肺胞洗浄液中の細胞でp40^tax 遺伝子の発現を認め, その発現の程度とリンパ球数に正の相関傾向を認めた. また同時にIFN-γ, IL-1β, TNF-α, IL-2等の炎症性サイトカイン, MIP-1α, MIP-1β, IP-10等のケモカインの発現増強を認め, 半定量的な解析ではIFN-γ, MIP-1αの発現の程度とp40^tax 遺伝子の発現の程度に相関がみられた. 〔結論〕HTLV-1キャリアーの肺においてはp40^tax 遺伝子が炎症性サイトカイン, ケモカインを介して病変の形成に関与している可能性があると思われた. |
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ISSN: | 0287-2137 |