肺癌気管支鏡検査における迅速細胞診Diff-Quik染色の有用性の検討

〔背景〕高齢者肺癌の増加, 検診による小型肺癌発見の増加が目立つ昨今, 肺癌に対する気管支鏡検査において必要とされるのはその正確性と検査時間の短縮化である. Diff-Quik染色はWright染色の変法であり標本採取後納30秒で鏡検可能であるが, 2000年秋肺癌学会総会で我々は気管支鏡検査における迅速細胞診Diff-Quik染色(乾燥法)が有用であることを報告した. 〔目的〕Diff-Quik染色にはその固定方法に乾燥法とアルコール固定があるが, その診断の正確性, 判定の難易度に固定方法が影響するか否か検討を加えた. 〔対象と方法〕平成11年1月から13年2月まで当院で肺癌疑いにて気管支...

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Veröffentlicht in:気管支学 2001, Vol.23 (3), p.83-83
Hauptverfasser: 笠松紀雄, 橋爪一光, 安井山広, 瀬戸武志, 篠塚成順, 半澤儁, 籾木茂, 佐々木一義, 小澤享史, 安見和彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔背景〕高齢者肺癌の増加, 検診による小型肺癌発見の増加が目立つ昨今, 肺癌に対する気管支鏡検査において必要とされるのはその正確性と検査時間の短縮化である. Diff-Quik染色はWright染色の変法であり標本採取後納30秒で鏡検可能であるが, 2000年秋肺癌学会総会で我々は気管支鏡検査における迅速細胞診Diff-Quik染色(乾燥法)が有用であることを報告した. 〔目的〕Diff-Quik染色にはその固定方法に乾燥法とアルコール固定があるが, その診断の正確性, 判定の難易度に固定方法が影響するか否か検討を加えた. 〔対象と方法〕平成11年1月から13年2月まで当院で肺癌疑いにて気管支鏡検査を施行し, 迅速細胞診を施行した患者は65例であるが, 本法における乾燥固定とアルコール固定標本の比較, そしてPap染色による永久標本との比較検討を行った. 〔結果〕Diff-Quik染色アルコール固定により細胞は空胞変性が少なく, 核のクロマチンパターンはより鮮鋭となり, 永久標本のパターンに近づいたが, 細胞の大きさ, N/C比の値に関して, 乾燥固定は悪い細胞はより悪性度を強調する傾向があり迅速という意味において乾燥法が判断容易であると考えられた. 〔結論〕術前の情報を考慮した上で本法による細胞診を行えば, 乾燥法が迅速検査という目的を満足する方法と考えられた.
ISSN:0287-2137