肺大細胞癌の気管支鏡所見

〔目的〕肺大細胞癌は末梢発生が多く気管支鏡的にも所見の乏しい例が多い. また切除標本で組織型が変わることも時々みられる. そこで肺大細胞癌の気管支鏡所見について検討した. 〔対象〕1994年12月より2000年12月までに当院で切除され切除標本で大細胞癌と診断されたのは26例で, うち21例(81%)に気管支鏡検査が施行された. 〔結果〕全例男性で年齢は39~75歳(中央値63歳), 胸部X線は全例腫瘤陰影で腫瘍の最大径は22~130mm(中央値52mm), 病理病期はIA 1例, IB 11例, IIB 4例, IIIA 5例で, pN0 16例, pN1 1例, pN2 4例であった. 気...

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Veröffentlicht in:気管支学 2001, Vol.23 (3), p.83-83
Hauptverfasser: 瀧藤伸英, 一丸之寿, 住谷充弘, 宮崎昌樹, 武田晃司, 寺川和彦, 根来俊一, 麻田博輝, 東条尚, 貴志彰宏, 山本良二, 多田弘人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:〔目的〕肺大細胞癌は末梢発生が多く気管支鏡的にも所見の乏しい例が多い. また切除標本で組織型が変わることも時々みられる. そこで肺大細胞癌の気管支鏡所見について検討した. 〔対象〕1994年12月より2000年12月までに当院で切除され切除標本で大細胞癌と診断されたのは26例で, うち21例(81%)に気管支鏡検査が施行された. 〔結果〕全例男性で年齢は39~75歳(中央値63歳), 胸部X線は全例腫瘤陰影で腫瘍の最大径は22~130mm(中央値52mm), 病理病期はIA 1例, IB 11例, IIB 4例, IIIA 5例で, pN0 16例, pN1 1例, pN2 4例であった. 気管支鏡所見は無所見15例(71%), ポリープ型5例(24%), 粘膜下型1例(5%)であった. ポリープ型は1次気管支に1例, II次に1例, III次に3例みられ, いずれも壊死物質に被われた灰白色腫瘍で周辺粘膜の異常所見は乏しく扁平上皮癌にみられるポリープ型に酷似していた. ポリープ型の生検での組織診断は低分化扁平上皮癌3例, 低分化腺癌1例, 大細胞癌1例であった. 気管支鏡無所見例の腫瘍径は22~130mm, ポリープ型は52~90mmで差を認めなかったが, 無所見例は全例pN0でポリープ型はすべてpN1, N2であった. 〔結語〕肺大細胞癌切除例の71%は気管支鏡無所見であったが, 24%に扁平上皮癌類似のポリープ型を認め生検でも扁平上皮癌と診断されることが多くすべてpN1, N2であった.
ISSN:0287-2137