最近当科にて喀血症例に対し行った気管支動脈塞栓術の経験
2000年8月から2001年2月までの半年間に当科では6例の喀血症例を経験した. 基礎疾患は気管支拡張症3例, 肺アスペルギルス症1例, 肺癌再発1例, 原因不明1例であった. 全例気管支鏡検査で出血部位が同定された. 比較的症状の軽度であった2例では, 止血剤投与, 抗凝固療法中止にて保存的に軽快した. 他の4例については気管支動脈造影(BAG)を行った後に責任血管に対するコイルを用いた塞栓術(BAE)を施行した. 当科ではBAGを行う前に全例胸部大動脈造影を行い気管支動脈(BA)の分岐を明かにするようにしている. 1例では責任血管と考えられるBAの分岐がわかっていながら, 大動脈の蛇行のた...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2001, Vol.23 (3), p.80-80 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 2000年8月から2001年2月までの半年間に当科では6例の喀血症例を経験した. 基礎疾患は気管支拡張症3例, 肺アスペルギルス症1例, 肺癌再発1例, 原因不明1例であった. 全例気管支鏡検査で出血部位が同定された. 比較的症状の軽度であった2例では, 止血剤投与, 抗凝固療法中止にて保存的に軽快した. 他の4例については気管支動脈造影(BAG)を行った後に責任血管に対するコイルを用いた塞栓術(BAE)を施行した. 当科ではBAGを行う前に全例胸部大動脈造影を行い気管支動脈(BA)の分岐を明かにするようにしている. 1例では責任血管と考えられるBAの分岐がわかっていながら, 大動脈の蛇行のためカテーテルの挿入に難渋した. CAG用カテーテルを用い超選択的マイクロカテーテルを挿入, ファイバー付プラチナコイル計5本にて塞栓術を行った. また他の1例では責任血管である左下葉に分布しているBAが大動脈弓直下より分岐しており, 胸部大動脈造影なしではBAの同定が困難と考えられた. 内胸動脈用カテーテルを用いコイル6本にて同様の方法で塞栓術を行った. 4例のBAE症例とも術後より喀血は止まり, 現在まで再発は認めていない. 喀血の場合, 緊急の気管支鏡検査にて出血部位を同定し, 気管支動脈造影にて責任血管を同定し数個のコイルを用いた塞栓術(BAE)を施行する. 症例に応じたカテーテル選択と工夫について紹介する. |
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ISSN: | 0287-2137 |