気管・気管支結核における発見の遅れの検討

気管気管支結核は, 結核菌排菌量が多くまた咳嗽が強いため, 診断が遅れた場合感染源となる危険が高い. 今回, 当院における気管気管支結核症例の発見の遅れについて検討し, 報告する. 〔対象と方法〕1991年から2000年までの10年間に, 当院において入院加療を行い, 気管支鏡を用いて気管気管支結核を観察した47例について, 診断時の問題点, 特に発見の遅れについて検討した. 〔結果〕47例(男性13例, 女性34例)の平均年齢は43.5±16.3歳であり, 29歳以下の若年者は12例(25.5%)であった. 喀痰結核菌検査では, 塗抹陽性36例(Gaffky3号以上27例), 塗抹陰性培養陽...

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Veröffentlicht in:気管支学 2001, Vol.23 (3), p.69-69
Hauptverfasser: 佐々木結花, 八木毅典, 濱岡朋子, 黒田文伸, 日暮浩実, 山岸文雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:気管気管支結核は, 結核菌排菌量が多くまた咳嗽が強いため, 診断が遅れた場合感染源となる危険が高い. 今回, 当院における気管気管支結核症例の発見の遅れについて検討し, 報告する. 〔対象と方法〕1991年から2000年までの10年間に, 当院において入院加療を行い, 気管支鏡を用いて気管気管支結核を観察した47例について, 診断時の問題点, 特に発見の遅れについて検討した. 〔結果〕47例(男性13例, 女性34例)の平均年齢は43.5±16.3歳であり, 29歳以下の若年者は12例(25.5%)であった. 喀痰結核菌検査では, 塗抹陽性36例(Gaffky3号以上27例), 塗抹陰性培養陽性12例, 胸部画像所見は有空洞例8例, 非空洞例37例, 所見なし2例であった. 結核発見動機は有症状受診42例, 検診発見4例, 他病受診1例であり, 有症状受診例の発見の遅れの期間を中央値で示すと, 受診の遅れ4.6日, 診断の後れ54.0日(3ヶ月以上18例)と, 診断の遅れは長期であった. 当院にて気管支鏡検査を施行した理由は, 前医診断例7例を除き, 胸部画像所見軽度にもかかわらず喀痰排菌多量20例, 喉頭結核精査時10例, 無気肺陰影観察8例であった. 〔まとめ〕気管気管支結核症例は, 全例喀痰菌陽性であり, 診断の遅れが長期である症例が多く, 院内結核感染となる可能性が高いため, 早期の診断が必須である.
ISSN:0287-2137