中枢気道発生の腺様嚢胞癌手術例

〔目的〕中枢気道に発生する腺様嚢胞癌は気管支形成術が有効であるが, 気道を長軸方向に増殖する傾向があり術式の選択も問題となる. 当施設で経験した膜様嚢胞癌に臨床的検討を加えたので報告する. 〔対象〕過去12年間に当施設で経験した肺癌切除600例中の腺様嚢胞癌3例(0.5%)を対象とした. 〔症例〕症例1は49歳の男性. 縦隔気管に結節隆起型の小隆起があり, 気管管状切除端々吻合を行った. 切除標本では断端陰性の小隆起であったが, 気管外膜浸潤が疑われたため術後照射40Gyを行った. 症例2は66歳女性. 左主気管支に突出する血管透過性に富む腫瘤があり, CT検査にて末梢部は肺組織へ浸潤していた...

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Veröffentlicht in:気管支学 2001, Vol.23 (3), p.61-61
Hauptverfasser: 近藤正道, 南寛行, 原信介, 佐々木伸文, 島義勝, 長島聖二, 阿部航, 岩崎啓介
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:〔目的〕中枢気道に発生する腺様嚢胞癌は気管支形成術が有効であるが, 気道を長軸方向に増殖する傾向があり術式の選択も問題となる. 当施設で経験した膜様嚢胞癌に臨床的検討を加えたので報告する. 〔対象〕過去12年間に当施設で経験した肺癌切除600例中の腺様嚢胞癌3例(0.5%)を対象とした. 〔症例〕症例1は49歳の男性. 縦隔気管に結節隆起型の小隆起があり, 気管管状切除端々吻合を行った. 切除標本では断端陰性の小隆起であったが, 気管外膜浸潤が疑われたため術後照射40Gyを行った. 症例2は66歳女性. 左主気管支に突出する血管透過性に富む腫瘤があり, CT検査にて末梢部は肺組織へ浸潤していた(壁内壁外浸潤型). 手術は左上葉管状切除を行ったが気管支断端陽性のため術後40Gyの照射を追加した. その後, 再発の所見はない. 症例3は70歳男性. 血痰のため気管支鏡を行い, 右中間気管支から右主気管支内面を気管分岐部へ進展する光沢のある腫瘤を認めた(壁内壁外浸潤型). しかし, 右上葉口周囲への腫瘍浸潤はなかった. 手術は右開胸下に右中下葉切除+気管分岐部切除を行い, 気管-左主気管支吻合後に吻合部口側の気管右壁を開窓し, Montage型気管分岐部再建を行った. 〔まとめ〕気管支断端陽性例も存在したが, 各症例に術後合併症もなく, 予後は良好であった.
ISSN:0287-2137