気管カニューレによる肉芽形成の抑制にトラニラスト(リザベン)が有効であった1例
症例は66歳, 男性. 1990年脳梗塞, 右片麻痺の既往あり. 1996年1月23日脳梗塞, 左片麻痺発症. 舌根沈下, 喀痰喀出困難のため3月1日気管切開した. 10月5日から喘鳴を認め, 気管支鏡で気管カニューレ先端部に全周性のポリープ状の肉芽形成を認めた. 鉗子による除去で一旦喘鳴は無くなったが, 2週間ほどで再発したため, 再度鉗子で除去した後トラニラストを併用開始したところ肉芽は膜様となった. 炭酸ガスレーザーによる焼灼で膜様の肉芽を焼灼したが再発し, 再度鉗子で除去した後は再発を認めなくなった. 肉芽の性状の変化等からトラニラストが効いたものと考えられた. 気管カニューレによる機...
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Zusammenfassung: | 症例は66歳, 男性. 1990年脳梗塞, 右片麻痺の既往あり. 1996年1月23日脳梗塞, 左片麻痺発症. 舌根沈下, 喀痰喀出困難のため3月1日気管切開した. 10月5日から喘鳴を認め, 気管支鏡で気管カニューレ先端部に全周性のポリープ状の肉芽形成を認めた. 鉗子による除去で一旦喘鳴は無くなったが, 2週間ほどで再発したため, 再度鉗子で除去した後トラニラストを併用開始したところ肉芽は膜様となった. 炭酸ガスレーザーによる焼灼で膜様の肉芽を焼灼したが再発し, 再度鉗子で除去した後は再発を認めなくなった. 肉芽の性状の変化等からトラニラストが効いたものと考えられた. 気管カニューレによる機械的刺激による肉芽形成は圧迫除去で自然退縮の可能性はあるが, 圧迫を除去できない場合には鉗子等による除去をしてもしばしば再増生するため厄介である. そういうときには試してみていい治療法かと考えられた. |
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ISSN: | 0287-2137 |