肺癌切除術における胸腔鏡補助下胸筋肋間温存小開胸アプローチの検討

〔目的〕非小細胞肺癌に対し, 胸腔鏡補助下胸筋肋間温存小開胸アプローチにて切除術を行い, 安全性・術後疼痛・郭清リンパ節の個数について検討し, 標準手術手技としての妥当性につき検討した. 〔対象〕非小細胞肺癌9例で平均66歳, 男/女:7/2, 臨床病期IA/IB/IIA:5/3/1例, 腺癌/扁平上皮癌/腺扁平上皮癌:6/2/1例. S^6 区域切除・右下葉切除・左上葉切除・左下葉切除を各2例, 右上葉切除を1例に行った. 〔手技〕聴診三角を中心に約10~12cmの皮膚切開より, 胸筋温存法にて4肋間開胸の後, 5肋骨の腹側・背側の2ヵ所で肋骨を切離. 肋骨床は温存した. 7肋間中腋窩に約3...

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Hauptverfasser: 富安真紀子, 吉野一郎, 末満隆一, 山崎宏司, 杉町圭蔵, 一瀬幸人
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:〔目的〕非小細胞肺癌に対し, 胸腔鏡補助下胸筋肋間温存小開胸アプローチにて切除術を行い, 安全性・術後疼痛・郭清リンパ節の個数について検討し, 標準手術手技としての妥当性につき検討した. 〔対象〕非小細胞肺癌9例で平均66歳, 男/女:7/2, 臨床病期IA/IB/IIA:5/3/1例, 腺癌/扁平上皮癌/腺扁平上皮癌:6/2/1例. S^6 区域切除・右下葉切除・左上葉切除・左下葉切除を各2例, 右上葉切除を1例に行った. 〔手技〕聴診三角を中心に約10~12cmの皮膚切開より, 胸筋温存法にて4肋間開胸の後, 5肋骨の腹側・背側の2ヵ所で肋骨を切離. 肋骨床は温存した. 7肋間中腋窩に約3cmの皮膚切開を加え, 胸腔鏡および肺把持鉗子の挿入口とした. 区域肺動静脈・肺靱帯の結紮には糸送り用鉗子を用いた. ND2a縦隔リンパ郭清を行った. 〔結果〕平均手術時間227分, 平均出血量174g, 平均郭清リンパ節個数21個, 平均ドレナージ期間4日, 術後7日目以内のジクロフェナク坐薬平均使用量125mgであった. 〔結語〕本アプローチは, 脈管処理の直視下操作が容易で, 根治度を損なわず且つ術後疼痛も軽かった. 以上より標準的なアプローチ法の1つとして期待される.
ISSN:0287-2137