縦隔腫瘍に対する胸腔鏡下手術例の検討
胸腔鏡下手術は手術創が小さく疼痛も軽度, 低侵襲であり, 入院期間も短くてすみ, 気胸, 肺嚢胞, 肺腫瘍, 縦隔腫瘍等に積極的に行われている. 1998年1月より2000年5月までに105回の胸腔鏡下手術を経験した. 今回, 縦隔腫瘍に対し胸腔鏡下手術を試みた5例について検討した. 年齢は24~65歳, 男性3例, 女性2例であった. 腫瘍の部位は前縦隔1, 下後縦隔1, 上後縦隔2, 中縦隔1であった. 胸腔鏡下の手術のみで摘出できたのは, 上後縦隔と下後縦隔の3.3×3.0, 5.0×5.0cm大の神経鞘腫の2例で, 手術時間は69分と85分で, 手術より退院までの期間は7日と14日,...
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Zusammenfassung: | 胸腔鏡下手術は手術創が小さく疼痛も軽度, 低侵襲であり, 入院期間も短くてすみ, 気胸, 肺嚢胞, 肺腫瘍, 縦隔腫瘍等に積極的に行われている. 1998年1月より2000年5月までに105回の胸腔鏡下手術を経験した. 今回, 縦隔腫瘍に対し胸腔鏡下手術を試みた5例について検討した. 年齢は24~65歳, 男性3例, 女性2例であった. 腫瘍の部位は前縦隔1, 下後縦隔1, 上後縦隔2, 中縦隔1であった. 胸腔鏡下の手術のみで摘出できたのは, 上後縦隔と下後縦隔の3.3×3.0, 5.0×5.0cm大の神経鞘腫の2例で, 手術時間は69分と85分で, 手術より退院までの期間は7日と14日, 入院期間は14日と20日であった. 一方, 胸腔鏡下手術より小開胸へと移行した例は, 胸膜の癒着の強かった胸腺腫と周囲への癒着が強かった気管支嚢胞, それと鎖骨下動脈と近接していた神経鞘腫の3例で, 腫瘤の大きさは, 5.0×4.0, 5.0×4.0, 2.8×2.0cmで手術時間は, それぞれ117, 145, 101分, 退院までの期間は19, 18, 14日, 入院期間は28, 27, 19日であった. 現在のところ再発例はない. 充実性の縦隔腫瘍の良悪性の判定は画像上困難なことがあるが3cm大の良性腫瘍は胸腔鏡下手術の良い適応であると考える. 当科で経験した縦隔腫瘍の5例を供覧する. |
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ISSN: | 0287-2137 |