気管支鏡下に切除した気管内Paragangliomaの1例

気道内の腫瘍に対する治療として高周波電気スネアを用いた切除法がある. 今回教室では, 易出血性のparagangliomaが右主気管支入口部から気管にかけてポリープ状に突出し, 呼吸困難を呈した症例に対して, 動脈塞栓術後に腫瘍を気管支鏡下高周波電気スネアによって安全に切除し症状の寛解を得たので報告する. 〔症例〕73歳女性. 1991年, 縦隔型paraganglioma切除術を受けたが, 1996年に局所再発を来たし圧迫による心不全, 呼吸不全症状を呈した. 広範囲浸潤のため外科的切除は困難で, エンドキサンにのみ腫瘍は反応し症状の軽減を得た. 2000年4月喘鳴を伴う呼吸困難が出現, 気...

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Hauptverfasser: 児玉英之, 松崎泰憲, 枝川正雄, 清水哲哉, 原政樹, 富田雅樹, 新名克彦, 鬼塚敏男
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:気道内の腫瘍に対する治療として高周波電気スネアを用いた切除法がある. 今回教室では, 易出血性のparagangliomaが右主気管支入口部から気管にかけてポリープ状に突出し, 呼吸困難を呈した症例に対して, 動脈塞栓術後に腫瘍を気管支鏡下高周波電気スネアによって安全に切除し症状の寛解を得たので報告する. 〔症例〕73歳女性. 1991年, 縦隔型paraganglioma切除術を受けたが, 1996年に局所再発を来たし圧迫による心不全, 呼吸不全症状を呈した. 広範囲浸潤のため外科的切除は困難で, エンドキサンにのみ腫瘍は反応し症状の軽減を得た. 2000年4月喘鳴を伴う呼吸困難が出現, 気管支鏡ではparagangliomaが気管支外壁から浸潤し右主気管支入口部にポリープ状に突出して気道狭窄を呈していた. 2000年4月26日腫瘍が血流豊富であるので予め動脈塞栓術を施行し, 翌日, 全麻下に気管支鏡下高周波電気スネアによる右気管支の腫瘍のポリペクトミーを施行したところ, 症状が劇的に改善した. 〔結語〕中枢気道を閉塞する血流の多いparagangliomaを動脈塞栓術後, 気管支鏡下に高周波電気スネアによって安全に切除し得たので臨床的検討を加えて報告する.
ISSN:0287-2137