肺内分画症の2手術例

今回我々は肺化膿症で入院となり, 肺内分画症と診断された28歳女性と, 全く無症状で経過し, 胸部腫瘤影にて発見され肺分画症と診断された63歳女性の手術例を経験した. 前者では病理学的検索は十分に行えなかったが, 後者では気管支は異常血管が流入する方向に集まり, 直接大動脈から分岐する太い流入血管が確認され, 肺実質の炎症性変化はほとんど認めなかった. 石田らは肺分画症をその気管支の走向より中枢向き群, 末梢向き群に分け, 末梢向き型のみが真の肺分画症で, 中枢向き型は正常肺の一部に何らかの変化がおこり, 2次的に炎症が加わり分画したものと述べている. 本症例は病理所見, 経過とも末梢向き型に...

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Hauptverfasser: 鈴木純子, 村上亨, 長岡鉄太郎, 鈴木道明, 坂本匡一, 青木茂行, 松岡郎, 伊坂泰嗣, 島田正, 柳田修, 照屋正則, 清水誠一郎
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回我々は肺化膿症で入院となり, 肺内分画症と診断された28歳女性と, 全く無症状で経過し, 胸部腫瘤影にて発見され肺分画症と診断された63歳女性の手術例を経験した. 前者では病理学的検索は十分に行えなかったが, 後者では気管支は異常血管が流入する方向に集まり, 直接大動脈から分岐する太い流入血管が確認され, 肺実質の炎症性変化はほとんど認めなかった. 石田らは肺分画症をその気管支の走向より中枢向き群, 末梢向き群に分け, 末梢向き型のみが真の肺分画症で, 中枢向き型は正常肺の一部に何らかの変化がおこり, 2次的に炎症が加わり分画したものと述べている. 本症例は病理所見, 経過とも末梢向き型に合致していた. 今後肺分画症症例を診た場合, その成因を検討するうえからも気管支, 動脈, 静脈などの詳細な検索を重ねていく必要があると考えられた.
ISSN:0287-2137