気管分岐部浸潤扁平上皮癌(cT4)症例に対する術前化学放射線治療と気管支形成術の併用

右上葉気管支原発で右主気管支及び中間幹に浸潤し気管右壁にも浸潤していた扁平上皮癌(cT4)症例に対して, 術前に放射線30Gyと化学療法(CDDP+VDS)1クール施行し, 右上葉管状切除を施行した3症例に関して報告する. 症例1は70歳, 男性. cT4N2M0→ypT2N2M0, 術後1ヵ月吻合部に狭窄を認め, バルーンによる拡張術施行した. 術後2年目に気管右壁に再発し, 担癌生存中. 症例2は71歳, 男性. cT4N2M0→ypT2N1M0, 術後1ヵ月目に吻合部に狭窄を認め, バルーンによる拡張術を施行し, Ultraflex stentを挿入した. 術後2年経過し再発は認められな...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:気管支学 2000, Vol.22 (3), p.70-70
Hauptverfasser: 近藤和也, 川田正史, 監崎孝一郎, 藤野晴彦, 高橋裕児, 石倉久嗣, 谷田信行, 先山正二, 高橋敬治, 門田康正
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:右上葉気管支原発で右主気管支及び中間幹に浸潤し気管右壁にも浸潤していた扁平上皮癌(cT4)症例に対して, 術前に放射線30Gyと化学療法(CDDP+VDS)1クール施行し, 右上葉管状切除を施行した3症例に関して報告する. 症例1は70歳, 男性. cT4N2M0→ypT2N2M0, 術後1ヵ月吻合部に狭窄を認め, バルーンによる拡張術施行した. 術後2年目に気管右壁に再発し, 担癌生存中. 症例2は71歳, 男性. cT4N2M0→ypT2N1M0, 術後1ヵ月目に吻合部に狭窄を認め, バルーンによる拡張術を施行し, Ultraflex stentを挿入した. 術後2年経過し再発は認められない. 症例3は70歳, 男性. cT4N2M0→ypT3N2M0, 術後2年目に肺内転移を認め, 担癌生存中. 3例とも吻合部は有茎肋間筋で覆った. 術中の気管支断端の迅速組織診は癌浸潤陰性であった. 術後病理組織学的検討では, 気管支上皮および上皮下の癌の浸潤は消退し, 上葉気管支壁は厚く線維化し, その中に癌病巣が島状に認めた. 主気管支と中間幹の切除範囲が狭い症例ほど術後吻合部の肉芽性狭窄は顕著であった.
ISSN:0287-2137