術前ステロイド治療を行われた喘息患者肺からのサイトカイン産生に関する検討
〔目的〕ステロイド前処置し手術された喘息合併肺癌患者の切除肺からのケミカルメディエーター遊離, サイトカイン産生に関する検討を行った. 〔対象と方法〕対象は, 喘息合併肺癌患者5人, 非合併肺癌患者5人. 喘息合併群は全例手術前にステロイド治療を行われ, 非合併群は術前いっさいステロイド投与は行われていなかった. 摘出肺の非癌部をDerf.RAST score4以上の血清にて受動感作し, 抗原刺激後のケミカルメディエーター遊離, サイトカイン産生を測定した. 〔結果〕ダニ抗原刺激によるヒスタミン, LTs遊離は2群間に有意差は無く, トリプターゼ染色でも脱顆粒を生じていた. 一方, IL-5,...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2000, Vol.22 (3), p.59-59 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 〔目的〕ステロイド前処置し手術された喘息合併肺癌患者の切除肺からのケミカルメディエーター遊離, サイトカイン産生に関する検討を行った. 〔対象と方法〕対象は, 喘息合併肺癌患者5人, 非合併肺癌患者5人. 喘息合併群は全例手術前にステロイド治療を行われ, 非合併群は術前いっさいステロイド投与は行われていなかった. 摘出肺の非癌部をDerf.RAST score4以上の血清にて受動感作し, 抗原刺激後のケミカルメディエーター遊離, サイトカイン産生を測定した. 〔結果〕ダニ抗原刺激によるヒスタミン, LTs遊離は2群間に有意差は無く, トリプターゼ染色でも脱顆粒を生じていた. 一方, IL-5, TNF-αは術前ステロイド治療された喘息肺にて有意に産生抑制が認められ, 肺組織を用いたRT-PCR法でもmRNAの発現は抑制されていた. 〔結論〕喘息合併患者の術前ステロイド治療により抗原刺激による肺実質からのサイトカイン産生は有意に抑制された. 喘息患者は気道過敏性, 気道閉塞, 気道粘液の過分泌等により術中術後の呼吸器合併症の頻度が高率であると報告されている. 術前ステロイド処置はサイトカイン産生抑制に基づき, 周術期管理を容易にしうると思われた. |
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ISSN: | 0287-2137 |