KL-6が高値を呈したカリニ肺炎の1例

症例は40歳, 男性. 1999年9月29日急性呼吸不全にて当院緊急入院. 精査の結果, AIDSに伴うカリニ肺炎と診断. ST合剤およびステロイド剤の併用にて呼吸状態は安定し画像上も著明な改善を認めた. β-D-glucanは最高76.0pg/mlまで上昇し約2週間で正常域に低下した. KL-6とSP-Dはやや遅れて各々7580U/ml, 235ng/mlまで上昇し肺炎の改善とともに徐々に低下を認めた. KL-6およびSP-DはII型肺胞上皮細胞の増生を伴う胞隔炎の状態を反映するとされているが, 本症例ではKL-6の反応がより鋭敏であり, 変動幅が大きかった. これよりAIDSに伴うカリニ肺...

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Hauptverfasser: 村上亨, 鈴木純子, 長岡鉄太郎, 鈴木道明, 坂本匡一, 青木茂行, 松岡郎
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は40歳, 男性. 1999年9月29日急性呼吸不全にて当院緊急入院. 精査の結果, AIDSに伴うカリニ肺炎と診断. ST合剤およびステロイド剤の併用にて呼吸状態は安定し画像上も著明な改善を認めた. β-D-glucanは最高76.0pg/mlまで上昇し約2週間で正常域に低下した. KL-6とSP-Dはやや遅れて各々7580U/ml, 235ng/mlまで上昇し肺炎の改善とともに徐々に低下を認めた. KL-6およびSP-DはII型肺胞上皮細胞の増生を伴う胞隔炎の状態を反映するとされているが, 本症例ではKL-6の反応がより鋭敏であり, 変動幅が大きかった. これよりAIDSに伴うカリニ肺炎の肺傷害の評価に際して, SP-Dに比べKL-6がより有用なマーカーであることが示唆された.
ISSN:0287-2137