甲状腺乳頭癌気管浸潤例に対し胸鎖乳突筋を用いて気管再建を行った1例
気管再建に用いられる可能性のある材料として, 皮膚, 筋, 軟骨, 骨, 人工材料等がある. 今回我々は甲状腺癌気管浸潤例に対し, 胸鎖乳突筋を用いた気管再建を施行したので報告する. 症例は75歳, 女性. 血痰を主訴に近医受診し, 頸部腫瘤を指摘された. 精査の結果, 気管浸潤を伴う甲状腺乳頭癌と診断された. これに対し甲状腺右半切除, 気管合併切除施行. 気管の切除範囲は, 甲状軟骨下縁から末梢側へ3cmの長さに渡り, 若干の膜様部を含む気管軟骨輪部の右1/2周を切除した. 気管再建には右胸鎖乳突筋を使用. 同筋を胸骨頭, 鎖骨頭との骨付着部付近で切離して, 気管欠損部に4-0吸収糸にて全...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 気管再建に用いられる可能性のある材料として, 皮膚, 筋, 軟骨, 骨, 人工材料等がある. 今回我々は甲状腺癌気管浸潤例に対し, 胸鎖乳突筋を用いた気管再建を施行したので報告する. 症例は75歳, 女性. 血痰を主訴に近医受診し, 頸部腫瘤を指摘された. 精査の結果, 気管浸潤を伴う甲状腺乳頭癌と診断された. これに対し甲状腺右半切除, 気管合併切除施行. 気管の切除範囲は, 甲状軟骨下縁から末梢側へ3cmの長さに渡り, 若干の膜様部を含む気管軟骨輪部の右1/2周を切除した. 気管再建には右胸鎖乳突筋を使用. 同筋を胸骨頭, 鎖骨頭との骨付着部付近で切離して, 気管欠損部に4-0吸収糸にて全層縫合した. 術後2年7ヵ月を経過し, 再建部の状態は良好である. 気管再建法に胸鎖乳突筋を用いる方法は, 解剖学的構造上, また手技的安全性, 簡便性から, 選択肢の1つとして有用であると考えられた. |
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ISSN: | 0287-2137 |