内視鏡上肺腫瘍を疑わせた器質化肺炎の1例
症例は45歳, 男性, 農業. 1997年9月中旬の検診にて, 左下肺野の塊状陰影を指摘されて本院に来院. 自覚症状なし. 外来の胸部レントゲンにて, 左下肺野心陰影に重なって3.0×4.0cm大の円形陰影をみとめ, CTにてspicular radiation様の像も認められた. 気管支ファイバーでは左B^9 に外被物に被われた腫瘤をみとめ, 表面は真珠様で易出血性, しかし生検組織ではリンパ球主体の細胞浸潤があり, 炎症性変化を思わせる所見を得た. 検査ではCEAやシフラは正常, IgEは上昇していたが, 他は異常所見はなかった. 悪性も否定できないため, 同年10月長崎大学第1外科に紹介...
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Zusammenfassung: | 症例は45歳, 男性, 農業. 1997年9月中旬の検診にて, 左下肺野の塊状陰影を指摘されて本院に来院. 自覚症状なし. 外来の胸部レントゲンにて, 左下肺野心陰影に重なって3.0×4.0cm大の円形陰影をみとめ, CTにてspicular radiation様の像も認められた. 気管支ファイバーでは左B^9 に外被物に被われた腫瘤をみとめ, 表面は真珠様で易出血性, しかし生検組織ではリンパ球主体の細胞浸潤があり, 炎症性変化を思わせる所見を得た. 検査ではCEAやシフラは正常, IgEは上昇していたが, 他は異常所見はなかった. 悪性も否定できないため, 同年10月長崎大学第1外科に紹介し, 12月9日に左下肺切除を行った. 組織学的には, リンパ球の集積はあるが核異型はなく, 慢性肉芽性炎症の所見が主体で, 器質化肺炎の診断を得た. 1999年6月の現在, 患者は元気に通院している. |
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ISSN: | 0287-2137 |