気管膜様部損傷が原因と思われた外傷性縦隔気腫の1例

症例は17歳, 男性. 本年3月30日自転車で走行中に転倒し, 前胸部を打撲. その後胸痛が続くため近医受診. 胸部X線・CTにて縦隔気腫と診断され, 4月2日当院に紹介入院となった. 呼吸困難感なく, 胸部X線・CTで気腫の悪化もみられず, 保存的治療にて経過観察を行った. 4月6日気管支鏡検査を行ったところ気管下部膜様部に縦走する裂創と気管分岐部膜様部右側に血液が付着した紡錘形の陥凹部を認めた. 以上より気管膜様部損傷が原因と思われた外傷性縦隔気腫の1例を経験したので報告した. 鈍的胸部外傷により受診した患者には, たとえ全身状態が良好であっても厳重な経過観察が必要で, 気道損傷を念頭に置...

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Hauptverfasser: 臼井利雄, 斎藤雅也, 村瀬勝俊, 日野晃紹
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は17歳, 男性. 本年3月30日自転車で走行中に転倒し, 前胸部を打撲. その後胸痛が続くため近医受診. 胸部X線・CTにて縦隔気腫と診断され, 4月2日当院に紹介入院となった. 呼吸困難感なく, 胸部X線・CTで気腫の悪化もみられず, 保存的治療にて経過観察を行った. 4月6日気管支鏡検査を行ったところ気管下部膜様部に縦走する裂創と気管分岐部膜様部右側に血液が付着した紡錘形の陥凹部を認めた. 以上より気管膜様部損傷が原因と思われた外傷性縦隔気腫の1例を経験したので報告した. 鈍的胸部外傷により受診した患者には, たとえ全身状態が良好であっても厳重な経過観察が必要で, 気道損傷を念頭に置き, 気管支鏡検査にて気道の状態を速やかに把握することが重要であると思われた.
ISSN:0287-2137