MRSA肺炎を契機に発見された高齢者気管支脂肪腫の1例
症例:90歳男性. 主訴:腰痛・発熱. 現病歴:第5腰椎圧迫骨折急性期にて転入院, 床上安静加療中, 微熱・湿性咳嗽が出現, 諸検査にてMRSA肺炎と診断. 胸部X線写真およびCTでは右中下葉・左下葉の広範囲に淡い浸潤影を認めたが, 肺野や気管支内腫瘤は認めず. 精査目的に気管支鏡検査を施行. 左右下葉支を中心とする大量の痰を洗浄除去後, 左下葉支底幹入口部前壁に可動性良好で呼気時には底幹を閉塞する表面平滑なポリープ状腫瘍を確認. 左肺下葉に無気肺や器質化はなく, 高周波スネアでポリープ状腫瘤の頸部で切断. 断端遺残を疑い, 生検後, アルゴンプラズマ凝固装置を用いて断端部表層を止血・焼灼した...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 症例:90歳男性. 主訴:腰痛・発熱. 現病歴:第5腰椎圧迫骨折急性期にて転入院, 床上安静加療中, 微熱・湿性咳嗽が出現, 諸検査にてMRSA肺炎と診断. 胸部X線写真およびCTでは右中下葉・左下葉の広範囲に淡い浸潤影を認めたが, 肺野や気管支内腫瘤は認めず. 精査目的に気管支鏡検査を施行. 左右下葉支を中心とする大量の痰を洗浄除去後, 左下葉支底幹入口部前壁に可動性良好で呼気時には底幹を閉塞する表面平滑なポリープ状腫瘍を確認. 左肺下葉に無気肺や器質化はなく, 高周波スネアでポリープ状腫瘤の頸部で切断. 断端遺残を疑い, 生検後, アルゴンプラズマ凝固装置を用いて断端部表層を止血・焼灼した. 切除腫瘤は最大径約6mmで, 表面は多列線毛上皮に被われ上皮下間質には成熟脂肪細胞の増生を認め, 異型性に乏しいことより気管支脂肪腫と診断された. 脂肪腫切除2日後には平熱化, VCMも計4日間で中止した. 稀な気管支良性腫瘍を報告した. |
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ISSN: | 0287-2137 |