胸部放射線照射併用化学療法後にmucosal bridgeを形成した若年者肺癌の一切除例
[症例]32歳, 男性. 平成10年度の検診にて胸部異常陰影を指摘され, 精査・加療のため入院. 胸部X線写真およびCTでは左S^6 および右S^3 の腫瘤影と縦隔リンパ節腫脹を認めた. 気管支鏡検査では左下幹入口部はB^6 からポリープ状に突出した白色腫瘤にて閉塞していた. 同部位の生検病理組織診の結果は低分化型扁平上皮癌であった. 本症例は左S^6 原発で対側肺転移をきたした肺扁平上皮癌cT2N2M1stageIVと診断された. MVP療法2コースに対側肺転移巣を含む胸部放射線照射を同時併用し, good PRの治療効果を得た. 治療後の気管支鏡検査ではポリープ状腫瘤は消失し, B^6 b...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 1999, Vol.21 (3), p.101-101 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [症例]32歳, 男性. 平成10年度の検診にて胸部異常陰影を指摘され, 精査・加療のため入院. 胸部X線写真およびCTでは左S^6 および右S^3 の腫瘤影と縦隔リンパ節腫脹を認めた. 気管支鏡検査では左下幹入口部はB^6 からポリープ状に突出した白色腫瘤にて閉塞していた. 同部位の生検病理組織診の結果は低分化型扁平上皮癌であった. 本症例は左S^6 原発で対側肺転移をきたした肺扁平上皮癌cT2N2M1stageIVと診断された. MVP療法2コースに対側肺転移巣を含む胸部放射線照射を同時併用し, good PRの治療効果を得た. 治療後の気管支鏡検査ではポリープ状腫瘤は消失し, B^6 b入口部の壊死物質とB^6 /底幹のspurとの間に形成されたmucosal bridgeを認めた. 画像上, 右肺転移巣の消失を認めたことと患者が若年者であり手術を強く希望したことより, 左下葉切除術および縦隔リンパ節郭清を施行した. 術後摘出標本の病理組織学的検索では原発巣およびリンパ節に腫瘍細胞の残存を認めなかった. mucosal bridgeの表面は正常気管支上皮で覆われており, その起始部の一端の上皮下層では弾力線維束が鋭角に屈曲していた. [考察]肺癌治療過程のmucosal bridge形成機序に, 腫瘍縮小に伴う気管支粘膜の求心性牽引が関与する可能性が推察された. |
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ISSN: | 0287-2137 |