術前放射線療法の気管支吻合部創傷治癒に与える影響

【目的】肺癌の治癒率を向上させるために, 術前補助療法を併用した手術が行われることが多くなってきている. そこで, 術前放射線療法が気管支吻合部創傷治癒に与える影響を実験的に検討したので報告する. 【方法】250kV-X線発生装置を用い, 8週齢Wistar rat(体重270-300g)の縦隔にそれぞれ20, 30, 40Gyを1回照射した. 照射後3, 7, 14, 28日の期間をおいて左主気管支を切離し吻合した. 術後3, 7日目に吻合部のbursting pressureとhydroxyproline含有量を測定し, 吻合部の組織学的検討も行った. 【結果】1.照射後14日までに手術し...

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Veröffentlicht in:気管支学 1999, Vol.21 (3), p.78-78
Hauptverfasser: 島義勝, 松尾誠司, 佐野功, 澤田貴裕, 田村和貴, 赤嶺晋治, 高橋孝郎, 岡忠之, 綾部公懿
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】肺癌の治癒率を向上させるために, 術前補助療法を併用した手術が行われることが多くなってきている. そこで, 術前放射線療法が気管支吻合部創傷治癒に与える影響を実験的に検討したので報告する. 【方法】250kV-X線発生装置を用い, 8週齢Wistar rat(体重270-300g)の縦隔にそれぞれ20, 30, 40Gyを1回照射した. 照射後3, 7, 14, 28日の期間をおいて左主気管支を切離し吻合した. 術後3, 7日目に吻合部のbursting pressureとhydroxyproline含有量を測定し, 吻合部の組織学的検討も行った. 【結果】1.照射後14日までに手術した群におけるbursting pressureは20Gy照射ではcontrolと差がみられなかったが30, 40Gy照射では低下していた. 2.どの照射線量であっても照射後28日目に手術をした群のbursting pressureは低い傾向にあった. 3.吻合部のhydroxyproline含有量は各群間に有意差はなかった. 【結論】本実験から, 術前1回照射ならば照射線量は20Gy以下, 照射後手術までの期間が14日以内であれば気管支吻合部の創傷治癒は阻害されなかった.
ISSN:0287-2137