喀血に対する手術症例の検討

【目的】大量喀血および持続する喀血に対して手術を行なった症例を臨床的に検討した. 【対象】1989年5月から1998年12月までに気管支鏡にて下部気道出血を確認の上手術を行ない, 喀血を消失せしめた6例である. 【結果】内訳は男性4例, 女性2例, 年齢は43~68(平均54.8)歳, 喀血期間は最短8日, 最長18年であった. 原因疾患は肺癌(p-T3N3M1およびT1N2M0)2例, 転移性腫瘍(甲状腺癌), 術後胸腔内異物, 気管支結石, ブラ切除後肺内血腫がそれぞれ1例ずつであった. 術前治療として全例に止血剤投与が行なわれ, 2例に気管支動脈塞栓術が追加された. 術式は全例開胸し,...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:気管支学 1999, Vol.21 (3), p.69-69
Hauptverfasser: 堀尾裕俊, 野守裕明, 浅野浩一郎, 末舛恵一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】大量喀血および持続する喀血に対して手術を行なった症例を臨床的に検討した. 【対象】1989年5月から1998年12月までに気管支鏡にて下部気道出血を確認の上手術を行ない, 喀血を消失せしめた6例である. 【結果】内訳は男性4例, 女性2例, 年齢は43~68(平均54.8)歳, 喀血期間は最短8日, 最長18年であった. 原因疾患は肺癌(p-T3N3M1およびT1N2M0)2例, 転移性腫瘍(甲状腺癌), 術後胸腔内異物, 気管支結石, ブラ切除後肺内血腫がそれぞれ1例ずつであった. 術前治療として全例に止血剤投与が行なわれ, 2例に気管支動脈塞栓術が追加された. 術式は全例開胸し, 肺葉切除2例, 区域もしくは部分切除2例, 肺全摘1例, 異物除去および気管支瘻閉鎖1例であった. 平均手術時間は210分, 術前後に輸血を要したのは3例でその平均輸血量は1666.7mlであった. 術後合併症は気管支瘻遷延が1例で, 再手術を要した. 予後は肺癌死1例(術後44日), 他の良性疾患は健存, 肺癌の1例(術後6か月)および転移性腫瘍は生存中である. 【結語】QOLを低下させる喀血に対する手術は根治性のない悪性疾患であっても適応がある.
ISSN:0287-2137