当院における気管支ステント留置症例の検討

【目的】近年, 気道狭窄病変に対するEMS(expandable metallic stent)が普及し, 患者への低侵襲, QOLの改善などの利点を含めた留置経験が多数報告されている. 自験例を検討し, 有効例と非有効例について様々な寄与因子を考察した. また他施設報告例との比較検討も試みた. 【対象】1998年11月までに当院においてEMSを留置した9例. 性別は男6例, 女3例, 平均年齢は69歳, 狭窄原因は(1)原発性肺癌4例, (2)転移性肺癌1例, (3)食道癌直接浸潤4例であった. 【結果】(1)+(2)では1ヶ月以上の担癌生存2例, 1ヶ月以内の死亡2例, (3)では同様に担...

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Veröffentlicht in:気管支学 1999, Vol.21 (3), p.62-62
Hauptverfasser: 塩田智美, 鈴木純子, 堀賢, 仲谷善彰, 坂本匡一, 青木茂行, 松岡郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】近年, 気道狭窄病変に対するEMS(expandable metallic stent)が普及し, 患者への低侵襲, QOLの改善などの利点を含めた留置経験が多数報告されている. 自験例を検討し, 有効例と非有効例について様々な寄与因子を考察した. また他施設報告例との比較検討も試みた. 【対象】1998年11月までに当院においてEMSを留置した9例. 性別は男6例, 女3例, 平均年齢は69歳, 狭窄原因は(1)原発性肺癌4例, (2)転移性肺癌1例, (3)食道癌直接浸潤4例であった. 【結果】(1)+(2)では1ヶ月以上の担癌生存2例, 1ヶ月以内の死亡2例, (3)では同様に担癌生存2例, 死亡2例であった. 長期生存例の特徴としては, 症状発現前の予防的挿入例, 挿入後何らかの積極的加療が可能であった例, 中枢部への転移および浸潤による狭窄例などであった. 一方, 短期死亡例の特徴としては挿入時全身状態不良例, 挿入直後に胸水, 癌性リンパ管症などの併発例, 感染, 穿孔などの合併症併発例であった. 肺内主病変((1)+(2)), 肺癌主病変((3))でもこれらの特徴に相違はなかった. さらに, これらの特徴は他施設報告症例でも合致した. 【結語】気道狭窄病変に対するEMS挿入は内科医でも施行可能な手技であり, 患者のQOLの改善に有効である.
ISSN:0287-2137