小結節陰影におけるCT診断能の検討

【目的】読影実験を行い, 肺の小結節陰影におけるCTの診断能を検討した. 【対象・方法】経験年数6年以上の呼吸器科医20名による読影実験を行った. 用いたCT画像は, 診断の得られている20mm以下の結節影で, 肺腺癌112結節, 良性疾患76結節である. 回答用紙に各々の結節画像について19ヶの所見の有無と良悪性の判定を5段階で記入した. 【結果】確実診断例と疑い例を併せた正診率は, 腺癌では平均55.9%, 良性疾患では平均60%, 両者では平均57.6%であった. 腺癌における正診率の高い群と低い群の比較では, 正診率とスピキュラ, 血管収束, 胸膜陥入, 血管関与に正の相関を認めた....

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Veröffentlicht in:気管支学 1999, Vol.21 (3), p.39-39
Hauptverfasser: 大内博文, 吉田和浩, 小場弘之, 黒川慶三, 伊藤英司, 伊藤峰幸, 西野雅彦, 斉藤司, 阿部庄作
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】読影実験を行い, 肺の小結節陰影におけるCTの診断能を検討した. 【対象・方法】経験年数6年以上の呼吸器科医20名による読影実験を行った. 用いたCT画像は, 診断の得られている20mm以下の結節影で, 肺腺癌112結節, 良性疾患76結節である. 回答用紙に各々の結節画像について19ヶの所見の有無と良悪性の判定を5段階で記入した. 【結果】確実診断例と疑い例を併せた正診率は, 腺癌では平均55.9%, 良性疾患では平均60%, 両者では平均57.6%であった. 腺癌における正診率の高い群と低い群の比較では, 正診率とスピキュラ, 血管収束, 胸膜陥入, 血管関与に正の相関を認めた. 一方良性疾患では, 辺縁整が正診率と正の相関を認めるほか, 血管収束スピキュラと負の相関を示した. 【考察】腺癌においては, 収束を伴わない結節影, 良性疾患においては, 逆に収束を伴う結節影の診断率が低く, CT診断においての課題と思われた.
ISSN:0287-2137