ステント留置により治癒した外傷性気管断裂

外傷性気管断裂, 気管膜様部損傷に対してDumon stentを挿入し, 3ヵ月後にステントを抜去し治癒しえた症例を経験したので報告する. 症例は20歳, 男性. 平成10年6月26日オートバイ乗車中交通事故に合い, 頸部を自動車に櫟かれて, 当院に救急搬送された. 来院時縦隔気腫あり, 挿管時気管損傷があることが判明. 頚椎損傷もあるため頸部安静が必要で, このため気管に対する手術が行えず, 気管断裂部の末梢側まで挿管チューブを挿入し保存的療法を行った. 挿管チューブ入れ替え時に, 気管軟骨断裂部が変異し気管を閉塞して呼吸できなくなり, 挿管を維持する必要があった. このままでは抜管困難なた...

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Hauptverfasser: 東条尚, 多田弘人, 山本良二, 貴志彰宏, 池田直樹, 飯岡壮吾, 金澤源, 月岡一馬
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:外傷性気管断裂, 気管膜様部損傷に対してDumon stentを挿入し, 3ヵ月後にステントを抜去し治癒しえた症例を経験したので報告する. 症例は20歳, 男性. 平成10年6月26日オートバイ乗車中交通事故に合い, 頸部を自動車に櫟かれて, 当院に救急搬送された. 来院時縦隔気腫あり, 挿管時気管損傷があることが判明. 頚椎損傷もあるため頸部安静が必要で, このため気管に対する手術が行えず, 気管断裂部の末梢側まで挿管チューブを挿入し保存的療法を行った. 挿管チューブ入れ替え時に, 気管軟骨断裂部が変異し気管を閉塞して呼吸できなくなり, 挿管を維持する必要があった. このままでは抜管困難なため, 17日後気管損傷部にDumonステントを挿入し, 気管断裂部両端がステントに架かるようにした. ステント挿入により呼吸可能となり挿管チューブを抜管することができた. ステント挿入後, 約3ヵ月後ステントを抜去した. 気管断裂部は修復されて連続性を有し気道内腔は開大しており, 呼吸困難等の呼吸器症状なく退院した. 本症例を若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0287-2137