三点把持鉗子で除去し得た気管支異物の1例

症例は71歳, 男性. 既往は, 前立腺肥大以外はない. 平成10年7月8日, 歯科医院で歯冠を挿入時に, 歯冠を誤嚥した. 直後は強く咳き込んだが・その後, 症状は消失. 現症では, stridor, 喘鳴は聴取せず, 呼吸音の左右差もなかった. 胸部レ線写真で, 右中肺野に歯冠を認め, 気管支異物と診断した. 局麻下に, 挿管し, 軟性気管支鏡を施行した. 歯冠は右中葉支に介在し, 生検鉗子, 鰐口鉗子使用したが摘出できず, 三点把持鉗子を使用し摘出できた. 誤嚥時の咳嗽の後に, 症状がなくなったため, 飲み込んだと判断し, レ線写真を撮らなかったならば, 発見が遅れた可能性がある. 症状...

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Hauptverfasser: 小浦方啓代, 田邊嘉也, 斎藤博之, 佐藤和弘
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は71歳, 男性. 既往は, 前立腺肥大以外はない. 平成10年7月8日, 歯科医院で歯冠を挿入時に, 歯冠を誤嚥した. 直後は強く咳き込んだが・その後, 症状は消失. 現症では, stridor, 喘鳴は聴取せず, 呼吸音の左右差もなかった. 胸部レ線写真で, 右中肺野に歯冠を認め, 気管支異物と診断した. 局麻下に, 挿管し, 軟性気管支鏡を施行した. 歯冠は右中葉支に介在し, 生検鉗子, 鰐口鉗子使用したが摘出できず, 三点把持鉗子を使用し摘出できた. 誤嚥時の咳嗽の後に, 症状がなくなったため, 飲み込んだと判断し, レ線写真を撮らなかったならば, 発見が遅れた可能性がある. 症状が消失しても, 気管支異物を念頭において精査する必要がある. 異物摘出時には, 異物, 介在部位, 中枢気道の閉塞の程度, 年齢, 介在期間にあわせて, 摘出方法や把持鉗子は, 適切な方法を選ぶ必要がある. 三点把持鉗子で摘出できたため報告した.
ISSN:0287-2137