気管支原発顆粒細胞腫の1症例

症例は68歳, 女性. 生来健康であったが, 平成1年頃より喘鳴を時々自覚していた. 平成9年6月頃より労作時呼吸困難(HJ-II度)と夜間喘鳴が増強するようになり, 近医を受診し胸部異常陰影(左下肺野の浸潤影, 右中葉の無気肺)を指摘され精査加療目的で当科紹介入院となった. 検査所見では, 腫瘍マーカーSLXが軽度上昇. 胸部X線正面で両側下肺野に粒状網状影, 右2弓シルエットの消失. 胸部CT上右中葉の無気肺, 右下葉入口部に塊状影. 気管支鏡検査で, 右底区枝入口部に表面平滑な小隆起性病変, 右中葉入口部は前方より圧排され閉塞していた. 経気管支生検の組織診断では平滑筋様紡錘形細胞の増殖...

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Hauptverfasser: 酒井誠治, 佐藤圭創, 藤本久夫, 溝部孝則, 松本充博, 興梠博次, 菅守隆, 安藤正幸
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は68歳, 女性. 生来健康であったが, 平成1年頃より喘鳴を時々自覚していた. 平成9年6月頃より労作時呼吸困難(HJ-II度)と夜間喘鳴が増強するようになり, 近医を受診し胸部異常陰影(左下肺野の浸潤影, 右中葉の無気肺)を指摘され精査加療目的で当科紹介入院となった. 検査所見では, 腫瘍マーカーSLXが軽度上昇. 胸部X線正面で両側下肺野に粒状網状影, 右2弓シルエットの消失. 胸部CT上右中葉の無気肺, 右下葉入口部に塊状影. 気管支鏡検査で, 右底区枝入口部に表面平滑な小隆起性病変, 右中葉入口部は前方より圧排され閉塞していた. 経気管支生検の組織診断では平滑筋様紡錘形細胞の増殖と胞体が顆粒状であり, 特殊染色でPAS染色弱陽性, S-100蛋白染色陽性を認めたため顆粒細胞腫と確定診断した. 気管支原発顆粒細胞腫は極めて稀な腫瘍であるので文献的考察を加え報告する.
ISSN:0287-2137