症状出現から 2 年後に発見された気管腺様嚢胞癌の 1 例

症例は54歳, 男性。当院初診の2年前から労作時呼吸困難を認め, 他院を受診したが異常を指摘されなかった。気管支鏡検査により気管腺様嚢胞癌と診断した。病変は気管分岐部より口側約7cmの部位から両側主気管支末梢まで至り, 外科的切除困難と判断し放射線治療を施行した。治療後病変の残存を認めたが呼吸困難は消失した。気管腺様嚢胞癌は外科的に切除できれば長期生存が期待できる。本疾患は稀で特異的症状はなく, 胸部X線写真上異常を認め難く, 早期診断が困難なことが少なくない。頑固な咳嗽や呼吸困難を訴える症例では, 本疾患を念頭に置き積極的に気管支鏡検査を行う必要がある。...

Ausführliche Beschreibung

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:気管支学 1998/09/25, Vol.20(6), pp.505-508
Hauptverfasser: 橋爪, 敏彦, 西川, 正憲, 掛水, 信将, 高木, 重人, 金子, 猛, 池田, 大忠, 大久保, 隆男
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は54歳, 男性。当院初診の2年前から労作時呼吸困難を認め, 他院を受診したが異常を指摘されなかった。気管支鏡検査により気管腺様嚢胞癌と診断した。病変は気管分岐部より口側約7cmの部位から両側主気管支末梢まで至り, 外科的切除困難と判断し放射線治療を施行した。治療後病変の残存を認めたが呼吸困難は消失した。気管腺様嚢胞癌は外科的に切除できれば長期生存が期待できる。本疾患は稀で特異的症状はなく, 胸部X線写真上異常を認め難く, 早期診断が困難なことが少なくない。頑固な咳嗽や呼吸困難を訴える症例では, 本疾患を念頭に置き積極的に気管支鏡検査を行う必要がある。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.20.6_505